治打撲一方というまさにぶつけた場合に飲む薬

整形外科ではお年寄りの方が転倒して受診される方がけっこういます。
骨などに問題がなくても、顔をぶつけて内出血がひどくて顔が紫!になってしまう方がいます。
転んだその日はよくても、次の日に内出血がでてくる方もいます。

特に顔をぶつけた場合は、内出血が顔にあると目立ちます。
本人は見えなくて気にしないかもしれませんが、周りの家族や知り合いの方がみれば「どうしたの?」と心配されてしまうことも多いです。

そんな時によく処方される漢方薬があるのです。
それは「治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)」といってツムラでは89番の漢方薬です。

飲み方

漢方薬ですので食前または食間に飲んでください。
味は甘くて苦くて漢方ですのでやや匂いはします。
顆粒状の薬です。

治打撲一方の組成について詳しく!!

ツムラより

日局ケイヒ    3.0g
日局センキュウ 3.0g
日局センコツ   3.0g
日局ボクソク   3.0g
日局カンゾウ   1.5g
日局ダイオウ   1.0g
日局チョウジ   1.0g

炎症には炎症に効く解熱鎮痛消炎薬も飲む

転んだり、ぶつけたなど打撲で出来た内出血などに効果があるとされています。
また、ぶつけたところが熱をもっていて熱ければ冷やした方がいいです。
その場合の炎症がある場合は解熱鎮痛消炎薬を服用するとなおいいです。

市販薬でも飲むと効果がある

病院で処方して飲むのが一番ですが、市販品でも容量は限度がありますが似たような薬はあります。

文献でも効果が証明された治打撲一方という薬

治打撲一方ではない漢方の打撲時に処方される薬

治打撲一方という以外にも漢方薬にはぶつけた際など内出血がある場合に効果があるとされる薬がいくつかあります。
・四肢の腫脹消退に有効な漢方薬は駆瘀血剤としての桂枝茯苓丸
・利水作用を持つ五苓散や柴苓湯

はよく知られた漢方薬です。

治打撲一方という薬

ここでは以下の文献を元に治打撲一方という薬の効果について紹介します。

上肢手術後の手指腫脹に対する治打撲一方エキス剤の有効性―リングゲージを用いた検討―鈴木拓吉田祐

・非外傷手術では両群とも4週目で同じくらいの数値で腫脹なくなるまでの期間に大きな差ないことがわかります。
・外傷手術では1週目から大きな差があり治打撲一方を飲んでない方は腫れも大きい。4週目でも差があり治打撲一方群で腫脹消退していくのが早いです。治打撲一方を飲んでない方はなかなか腫脹消退されてないことがわかります。
・非外傷手術は術後2週まで治打撲一方群の腫脹消退していくのが早いです。

外傷手術における指腫脹の経時的変化

非外傷手術における指腫脹の経時的変化