注射針と翼状針の違い
①針の長さの違い
注射針の長さは、注射種類によっても異なります。皮内注射では、26〜27G(13mm〜19mm)。皮下注射、筋肉注射だと22〜25G(25mm〜38mm)となります。一方、翼状針は21〜23G(16〜25mm)となります。
②持ち方の違い
注射針での持ち方は感染予防のため、円筒の部分を持ち、採血や注射を行います。
翼状針の場合は、翼部分を重ね合われて把持し、穿刺部より抹消側の皮膚を手前に進展させ、針入します。
③針の刺した時の痛み
針は、Gが小さくなるほど針の直径は太くなります。また、薬剤や、使用理由、対象者の体格などによって使用する針は変わるため、痛みは場合によります。
④翼状針の3種類(収納、なし、カバー式)
翼状針には、針刺し事故や感染のリスクを抑えるために、安全装置が装着されている種類もあります。
収納翼状針は、羽の部分を固定したまま本体を両側から押し、針を抜くことで、自動で針が収納されます。
カバー式翼状針は針刺し防止が目的です。採血が終わった後、カバーを付けることで、針が保護できます。
⑤針刺しの予防の違い
針刺しの原因はリキャップです。対策としては、リキャップ自体をしないこと、どうしてもリキャップの必要性がある時は片手でのみのリキャップを行うことです。
翼状針は、収納がきちんとできているか確認してから感染性廃棄容器に廃棄することが必要です。
また、針を素手で扱わず、手袋などを使用することも対策の一つとしてあげられます。
⑥翼状針は刺しっぱでいい理由
点滴針には、翼状針と静脈留置針の二種類があります。翼状針には針が体内に留置されているため、あまり体を動かせません。一方、静脈留置針の場合は、内筒と外筒に分かれていて、穿刺後金属部分の内筒を引き抜くため、体内に留置されているのは柔らかい素材でできている外筒となっています。よって留置間、体を動かしても血管を傷つけるリスクが減ります。
真空管採血と注射器採血の違い
採血法には、二種類あります。
真空管採血
一つ目が真空管採血です。
真空管採血ホルダーを使用して採血をおこないます。メリットは、採取した血液の移し替えの必要がないため、血液感染するリスクが少ないことです。また、採血量に応じた陰圧調節がされているため、検査に必要な量を過不足なく採取することができます。しかし翼状針を使用した場合、デッドスペースが多いため凝固の採血管で摂取することが必要です。
注射器採血
二つ目は、注射器採血です。
血管が細い、見つかりにくい、細くて圧に負けそうと思われる血管の採血に使用します。
メリットとしては1回の穿刺で採血とルート管理が可能なことです。注意点は、採血に時間がかかると血液が凝固してしまうことがあるです。また血液の移し替えの必要があるため、血液感染するリスクが比較的高いことです。
採血時に気をつけることは、まず採血する位置を決めた後駆血帯を巻く時、締めすぎず2分以内に血液を採取することです。また注射器を使用する場合は、内筒を静かに引いて採血します。強く引きすぎると血液内の赤血球が損傷して溶血を起こし、検査データに影響を起こします。
真空採血管の場合は、採血が終わった後、駆血帯の前に採血管を外す必要があります。逆だと、採血管内の血流が逆流して、感染リスクがあります。
また、対象者の腕を下向きになる状態(アームダウン)させて、採血を行います。これにより逆流のリスクを減らすことができます。
翼状針と留置針の違い
①静脈留置針の目的、構造、穿刺力の意義
静脈留置針は長時間(24 時間以上)点滴をする際に血管内に留置するカテーテルです。外側のプラスチック製カテーテルと、内側の穿刺用金属針からなり、血管穿刺後に金属針を抜去して、カテーテルを血管内に留置します。
静脈留置針のメリットは、血管内に留置する針の部分がポリウレタンなどでできていることにより、血管内に数日間留置することが可能です。よって、比較的長期の穿刺が可能となっています。
②静脈留置針の感染、安全機能
静脈留置針は、内筒と外筒に分かれていて、穿刺した後、金属部分の内筒を引き抜くので、体内に留置されているのは柔らかい素材でできている外筒となっています。それにより、留置している間体を動かしても血管を傷つけるリスクが少なくなります。それにより、安全が確保されています。
③翼状針の構造、目的
翼状針とは先端部分が翼のような構造をしている注射針のことです。メリットとしては羽のような構造が付いていることによって、持って穿刺しやすく、また羽の部分をテープで固定しやすいということが挙げられます。
また、翼状針は安静臥床を保つことができる比較的短時間の輸液投与時に選択されます。体が大きく動くと、針が動いてしまい、血管内膜が損傷してしまうリスクが考えられるため、輸液終了後には抜刺されます。
このように、翼状針と静脈留置針には構造や目的に大きな違いがあります。医師の指示書などを確認しながら適切に選択していくことが必要になります。