BNPとは?

BNP(ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド)とは、心室から分泌されるアミノ酸からなるホルモンです。

BNPの役割、はたらき

そのホルモンの役割としては…
・強力なナトリウム利尿作用
・血管拡張作用

健康であればBNP値は低いですが、心不全であればではその重症度に伴い増加しますので、心不全のマーカーとして血液検査されます。

BNPの基準値

18.4pg/mL未満

BNP値が上昇する疾患

急性心筋梗塞, 急性心不全, 狭心症, 高血圧症, 腎不全, 弁膜症, 慢性心不全

BNPの採血管は紫色で採血量は5ml

・抗凝固剤EDTA-2Na入り
・真空採血量5mL
・採血管はうす紫の血算
BNPの採血管は紫色

BNPは血しょうで調べる

採血後,冷蔵保存です。
そして6時間以内に血漿分離し,速やかに凍結保存してください。

BNPは治療する際の指標となる

フランスの無作為化試験「STARS-BNP研究」ではBNP<100ng/mLを指標に薬物治療を行った群と、同じ薬剤を用いた指標のない治療群とでは、BNPを指標として治療すると心不全による死亡・入院がほぼ半減しています。

BNP,NT-proBNPは心不全バイオマーカー

「心不全に関する生化学指標のガイドライン」
BNP,NT-proBNPが心不全バイオマーカーとして最適なのは
1)心不全の診断に有用
2)心不全の予後予測指標として有用
3)臓器,疾患特異的な指標
4)心不全の治療指標としての可能性が高い
とされているからです。
さらに迅速測定ができるようになりました。そのことで心不全が疑われる患者にできるだけはやく検査値を調べることができます。

血液検査でみるBNPよりNT-proBNPが正確な値

BNPは、血漿を用いるので正確な値がではなくなることがあります。
それは分離前の時間や温度の影響を受けやすいことが報告されているのです。一方、同じく血液で調べられる「NT-proBNP」 は、安定性があり、血清で検査ができるので、心不全マーカーとしては最適です。

NYHA心機能分類でBNPは心不全の重症度に比例する

BNP値は心室に負荷がかかる左室収縮機能や心機能不全の有用なマーカーです。
重症心不全では基準値の100~300倍増加します。
BNP値はNYHAによる重症にともない高値になります。
ます。BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心不全のマーカー
出典:参考資料(基準値と異常値の間 ─その判定と対策─)

*BNP:brain natriuretic peptide