一度社会人を経て、看護師になりました。現役の看護師よりも6年遅れで看護師となりました。
試験に合格してからは付属の総合病院の循環器科で5年間勤務しました。夜勤もこなしながら日々多忙でした。休みの日や夜勤空けに遊びに行くのは働き始めてから1.2年だけです。
3年目以降は研究や勉強会等で休みも関係なく出勤を余儀なくされました。慢性的に人手不足だった事もあり、委員会活動は掛け持ちをしている状態でした。
かと言って給料がかなり良い訳でもありません。夜勤もこなしても手取りは30万円無かったのです。
休みの日には次の出勤日に備えて寝だめをする日々でした。勤務の為に休んでいると言う感じでこのままでいいのかなと何度も思いました。
いい先輩は次々と辞めていきます。残るのは嫌な看護師ばかりです。
とうとう私の忍耐の緒が切れて退職届を出しました。ただ受理されるのは数カ月後ではありません。何度も師長と話し合い、辞める日が決定するのに1年かかりました。
そしてその日が近付くと更に3カ月伸ばされたのです。
そんな状況でしたので、次の仕事場では少しゆっくり働きたいと思っていました。
離職を決めてから求人はよく見ていました。息抜きになると言うか、今後の事に意識がいってかなりウキウキしたからです。
どの職場も今よりは良いなと思いながら眺めていました。私のこの働きなら手取り40近くになるクリニックもありました。こんだけ体を動かしていたらそれが妥当だと思っていました。
看護師の転職は結構楽ちんに出来るのかもしれないと楽観的に考えていました。
5年働いた病院を離職し、しばらく遊んで暮らしていました。その間も求人にはしっかり目を通していました。
何度か面接を受けようかと思いましたが、今一歩足が出ない状況でした。そんな時に友人の訪問看護ステーションに声をかけてもらいました。友人も働いてるステーションです。訪問看護なら他にも友人がしていたので、結構楽ちんだと聞いていました。
友達の紹介と言う形で面接し、入職する結果になりました。看護師の転職ではこの様な形もあるんだなと感心していました。
しかし、それが失敗の始まりだったのです。
訪問看護ステーションは本当にステーションごとに色があります。ゆったり長期間で患者さんと関わる事をモットーにしている所もあれば、医療的処置をメインにして次々患者さんを獲得して収益を目的に行っているステーションもあります。
他の友人が行っている所は前者で、私を紹介してくれた友人の所は後者だったのです。
何もかも成果主義でした。訪問も月に80件以上行けば手当が付き、医療的な処置のない仕事は看護師の仕事ではないと言う感じでした。
土曜日、日曜日は休みを謳っていたのですが、患者さんを獲得したいがために所長が勝手に日曜日に訪問を希望する方と契約を結んだり、状態が結構悪い人も受け入れたり、明らかに誰も訪問出来ない人数になっていても受け入れたり、何よりも報告等がきちんと行われていないのです。
めまぐるしく日々の仕事をこなす事がやっとで、皆自分の訪問だけで手いっぱいという感じでした。
始めは同行と言う形で先輩と一緒に訪問に行くのですが、その時点で失敗したなと思いました。こんなにも忙しい所なんだと思いました。
それでも一度入ったので頑張ろうとしました。入社1カ月で所長が変わりました。その方がかなりのワンマンだったのです。そんな所長に嫌気をさしたスタッフが次々に辞めて行きました。
4人いた看護師はとうとう私と所長だけになってしまったのです。私を紹介してくれた友人も早々に辞めてしまいました。
こんなはずじゃなかったとホントに思っています。このまま続けるべきなのか、本気で悩んでいます。