私の看護師の転職における失敗談をお話致します。私は看護師歴14年目になります。現在は夫の勤務地移動により、一時専業主婦に。これまで、2度転職を経験してきました。

1度目の転職

1度目の転職時、一般的な看護師求人サイトへ登録し、再就職。それまで周産期中心の急性期病棟での勤務を10年ほどしていましたので、新しい分野への挑戦を試みたく、高齢者を対象とした終末期看護の出来る病院への転職を希望しました。
 担当してくれたのは20代の女性で、とても親身になり、希望の就職先へ再就職することが出来ました。新しい分野への挑戦で、学ぶことも多く、とても新鮮でした。1年半ほど勤務し、夫の転勤により、退職。前回の担当者の印象が良かったため、再度同じ担当者に連絡しました。

2度目の転職

1度目の転職でお世話になった看護師の転職サイトでまた転職を決意

 初めは前回と同じ担当者とのやり取りを行っていたのですが、いざ面談という場面に現れたのは、20代前半の男性でした。私は、その会社自体に信頼をおいていたので、特に疑う事もなく、ただ担当者が変わったとの認識でした。

 彼も連絡のやり取りや、求人斡旋などとても熱心に取り組んで下さいました。再就職先への面接は、市町村が変わることもあり、日帰りでは行けなかったため、数件まとめて受けることになりました。
 今回希望したのは、まだ志半ばであった高齢者看護、終末期看護が出来る病院でした。まだ学ぶことがあると感じていました。彼にも勿論その事を伝え、希望に見合う求人を探してきてくれていました。
 面接には、彼も同行してくれ、1件目2件目と淡々とこなしていきます。新人さんのようだけど、頼りがいがあるかもしれないと思っていました。1件目2件目共に、その場で合格を頂き、院内を案内してもらえることに。とても順調に事が運んでいましたが、少し気になることがありました。
 彼と相談していた病院とは少しイメージが違っていたのです。高齢者のお看取りというよりは、呼吸器や気管切開をしている患者様が多く、急性期に近い印象でした。
 面接が終わると、彼は「少し○○さんの求める病院ではないかもしれませんね。次の病院を受けてから、返事をしましょう。」と言いました。

やりたい看護ができると面接で実感したが…

 3件目の病院は希望の病院よりは小規模でしたが、まさに高齢者医療を行っている病院でした。彼は事前にこの病院を一押ししていました。職員の雰囲気が良く、患者様をとても大切にしており、終末期に特化しているという話でした。

面接は、院長、看護部長、事務長の3人が担当して下さいました。趣味は何ですか?地元の美味しいものは何ですか?普段映画はどんなジャンルを見ますか?などと世間話が続きました。そこで、私は自分のやりたい看護、目指したい看護師像を自ら話しました。そして終末期看護についても勿論質問しました。
 看護部長は「うちの病院は終末期の看護に力をいれています。出来るだけ、自然な形で、患者様を優先した医療を提供しています。」とご返答を頂きました。
 まさに私が目指していた看護の形でした。その場で合格通知を頂き、院内を案内して頂きました。不思議とスタッフとあまり会うことがありませんでしたが、看護部長によると、出来るだけ患者様の傍に行くように指導しているとの事で、特に疑問に感じることはありませんでした。
 その面接で私には気になっていたことがありました。同行していた彼の存在です。1件目2件目は面接中も、私の経歴の説明やアピールポイントなど言葉数多かったのですが、この病院の面接時は一言も発言がなかったのです。
 面接が終わり、二人きりになると、彼はマシンガンのように話し始めました。「○○さん凄いですよ!この病院はかなり人気で、求人があってもすぐに埋まってしまうんです!合格通知は最低でも2週間後なんですよ!」
 彼がいきなりの言動に違和感を感じましたが、部長の看護観を信じ、私はその病院に就職することを決めました。

よくある面接での話と違った転職先

 就職が決まり、契約が終わると、今まで小まめに来ていた彼からの連絡が途絶えました。後に聞いたことですが、担当者は就職が決まると、ある程度の恩恵があるとか。ご想像できるかと思いますが、就職先はとても終末期看護を大切にしている病院とは思えない有り様で、常に人員募集はしているとの事でした。
 これが私の看護師の転職における失敗談です。担当者を信用する事は決して悪いことではありません。しかし自分自身の判断力を疎かにしてはなりません。
 何よりも、第一に自分自身の事なのですから。