今、インターネットから情報を得られる時代になりました。患者さんが治療を選択できる時代になり患者さんの方が情報が医療者よりも豊富なことが多くなりました。
看護師・医療者も自学会や研修などで、情報を収集していかなければならない一方で、休みを利用して知識習得していかなければならなくなりました。しかし、時代に流されても、変わらない大切なものがあります。それは患者さんとのコミュニケーションではないでしょうか?
患者さんはいつの時代でも、「完治したい、元の生活を取り戻したい。」といった思いがあります。
患者さんが起こす行動はそれぞれ意味があります。仕事が多忙な中、看護師・医療者にはその経過をたどった思いや行動の意味を確認して、理解してあげる時間が欠けてきています。
患者さんが病院を選択できる時代で、病院側は、患者さん取得や経営維持のために、患者さん中心の看護を強調している病院が増加しています。しかし、現状は患者さんに満足感を得られない評価が出てしまっています。
毎日患者さんとコミュニケーションでの考えるべきこと
患者さんとコミュニケーションをとるコツは?
①説明するときは結論から簡潔に話す
お年寄りだと難しい説明だと理解できなかったりしますし、ゆっくり話さないと理解できない患者もいます。
そのため、まず結論から先に簡潔に伝えます。
そのうえで患者の反応みてや返答を聴いてさらに追加説明を加えたりします。
結論からいってコミュニケーションがとれなくても焦らず患者にあわせ会話をします。
②なるべく傾聴し患者の言葉をうけとめるだけでも十分なコミュニケーション
実際には看護師としての業務が忙しくて、患者の言葉を全部きけるわけではありませんが、なるべく傾聴する部分はしっかり聞き患者の思いを知るようにしましょう。
③アイコンタクトをし目や顔の表情をよくみる
コミュニケーションは言葉だけではありません。
患者は言葉で伝えれないことも多いためしっかり顔みながら話すようにしましょう。
言っている言葉と顔の表情が一致していないこともあるため、焦らず患者とのゆっくり関係をつくりコミュニケーションを取っていく必要があります。この場合は1日、1回でなんとかしようとせず時間を置いてからなどと段階を踏んでいくことも必要なこともあります。
④名前で呼ぶ
総称として患者さんとしてしまいますが、名前を呼ぶことでぐっと距離が深められることは心理学的にも証明されています。
これは、まれはかもしれませんが下の名前で呼ばれると嬉しく思う患者もいますので、お年寄りの方であれば下の名前でよぶと親近感もわくことも多いので場合によって呼んでみてもいいかもしれません。
毎日患者さんとコミュニケーションをとる中で、コミュニケーションの方法に次第で、患者さんが行動を起こした理由を収集できるのではないでしょうか。初対面で、いきなり経過の理由を聞くことは困難です。ですが、信頼関係を日々の関りで深め、患者さんから相談されたときに、思いを聞けば、患者さんの思いや行動の意味を聞くことができます。
自分が患者さんの立場だったらどのように考えるだろうか?
こんな言葉は言われたらどのように感じるのか?
患者さんの言葉にはどんな思いが込められているのか?
等を看護師・医療者は考えながら傾聴していく必要があると考えます。
また、看護師は医療者との連携をとり、情報を共有していくことも必要です。
検査やリハビリ中に何気ない一言が、患者さんの思いを理解する重要な情報源になることもあるからです。
患者さんは孤独でない、私たちがそばで支えていることを患者さんが感じることで、患者に寄り添った看護が提供できるのだと考えます。忙しいから仕方ない、自分も一生懸命やっているといった思いは、自己評価です。
患者さんからの感謝の言葉も大事にする
患者さんから、「あの時ありがとう。」「おかげさまでよくなりました。」といった声が、看護師としてのやりがいを感じることができるのではないかと思います。