目的

・関節内の貯留液(血液、膿、手術時に使用した洗浄液)の排出
・貯留液の性状確認

適応

・関節手術(膝や股関節の人工関節、人工骨頭置換術など)後に関節内の貯留液を排液したい場合
・化膿性関節炎により膿が関節内に貯留

ドレーンの種類

バックを用いない開放式ドレーン(ペンローズドレーンなど)
・感染などでの排膿目的に使用。しかし、外気に触れるために逆行性感染を生ずる危険性がある。
・ドレナージからの排液を滅菌ガーゼで吸収する方法である。
・排液が多く、ガーゼが吸収できなくなると、排液と不潔部を接触して逆行性感染を生じる化膿性があるので観察する

バックを用いる閉鎖式ドレーン(SBバック、リリアバック、J-Vacなど)
riria
・ドレーン先端が滅菌バックに連結されているため外気にふらないため感染しにくい構造である
・ガーゼ交換時には、挿入部の状態やドレーンがぬけていないか、バックの貯留量や色を確認する
・患者の体位変換時や移動時はドレーンを抜去しないように注意する
・ドレーンの自己抜去に注意する

挿入位置と挿入経路は?

・関節内から皮膚を貫通してドレーンを体外に出す
・化膿性関節炎での緊急排液目的として関節内から皮膚を貫通してドレーンを体外に出す
*別な方法として、シリンジで穿刺し排膿を行う方法もある。

固定方法は?

・チューブが抜けないように、ドレーンと皮膚を糸で固定(締結固定)
・ドレーンを糸で固定したら、挿入部の皮膚の上からテープで固定する

ドレーン管理のポイント

・開放式ドレーンは、清潔度が閉鎖式ドレナージに比べて低く、不潔になりやすいために、近年、化膿性関節炎での緊急排液目的以外では使用される頻度はすくなくなっている。
・化膿性関節炎でのドレーン抜去時期は、排液の性状、量や色、培養結果、、血液データにより抜去する。
・他のドレーンと同じく血性から漿液性へと変化し量も少なくなっていく。
・人工膝関節置換術後は、数時間ドレーンをクランプすることにより、術後の総出血量が減少するという報告があり術後何時間でクランプを解放するなど医師に指示を聞く