副雑音
ラ音(ラッセル音の略(ドイツのラッセルさんが名付けた)健常者では聴くことができない異常な呼吸音) のことです。
・肺雑ともいう人もいますが正しくは、副雑音です。
・肺内で発生する異常呼吸音をラ音というが下記の種類があります。
1 連続性ラ音
気管・気管支が原因
乾性ラ音ともいい閉塞性障害(気管支喘息、肺気腫等)で聞かれる。いびき音、笛音・ヒュー音(気管支喘息に特異的)などがある。
①いびき音(低音性連続音)
中枢気道の狭窄を示す低いゴーゴー、ボーボーという音。呼気時と吸気時。
炎症、腫瘍、分泌物による太い気道の狭窄を示す。
例:COPD,慢性閉塞肺疾患、気管支拡張症、気道異物、痰、肺癌等による中枢気道の狭窄
②笛音(ウィーズ)(高音性連続音):末梢気道の狭窄を示す高い「ピーピー」「ヒューヒュー」という音。ヒュー音とも呼ぶひとがいる。呼気時。
例:気管支ぜんそく、慢性閉塞肺疾患、うっ血性心不全
③スクォーク:「ヒュウヒュウ」②の笛音よりさらに高い音。吸気時。
例:間質性肺炎、びまん性気管支炎
2 断続性ラ音
肺胞が原因
湿性ラ音ともいい拘束性障害で聞かれる。
③水泡音(粗い断続音)(コースクラックル):痰の存在を示す。呼気吸気とも聞かれ、咳で音が変化する「ブツブツ」「パチパチ」と言う粗くて少し長い低音の音(肺炎・肺水腫等)。吸気と呼気時。
例:肺炎、肺水腫、気管支拡張症
④捻髪音(ねんぱつおん)(細かい断続音)(ファインクラックル):咳のない間質性肺炎で、吸気後半で聞かれ咳で音が変化しない「パチパチ」「バリバリ」と細くて短い高音の音。捻髪音の名前の由来は髪を捻った音。
例:間質性肺炎
その他….
⑤胸膜摩擦音:肺壁と胸膜がこすれる音(胸膜炎)、靴底の軋む音、雪を握るような音(ギュギュ)が聴かれます。
喘鳴と複雑音(ラ音)の違い
喘鳴は聴診器を使わなくても聞ける音
喘鳴の種類は?
①吸気性喘鳴(吸うときの喘鳴)
上気道閉塞
②呼気性喘鳴(吐くときの喘鳴)
下気道閉塞
聴診の部位と方法とは?
1,患者に臥床するか、座位でもいいが楽な姿勢をとってもらう。
2,口で深呼吸をしてもらう。
3,右上部より聴診を開始する。右→左→下とだいたい6箇所聴診する。
4,聴診器をぴったりと胸に密着させる。
5,左右対称に比較し、呼吸音を聞き取る。
呼吸音の聞き分けは?
1 複雑音(ラ音)の有無は?
2 音の間隔は?
3 低音性か高音性か?
4 粗い音か、細い音か?