瞳孔の観察のポイント
- 瞳孔の形
- 瞳孔の大きさ
- 左右差の有無
- 対光反射の有無
正常な瞳孔では、形は円、大きさ(瞳孔径)は2.5mm~4.0mm、左右差はなく、対光反射は迅速です!!
これが基本ですので2.5mm~4.0mmはどれくらいかは頭に入れておきましょう。
白内障の手術経験している方は、眼内のレンズを入れ替えているため、対光反射を観察すると縮瞳が緩慢か、もしくはほぼ無いことが多いです。
また、光を入れたときに独特の光の反射も見られます。対光反射の観察時に、いつもと違う瞳孔の変化や異常がみられた場合は、まずは患者さんに眼疾患の有無や手術歴を聴取しましょう。何もないようであれば、先輩看護師や医師にしっかり報告しましょう。
瞳孔径を瞬時に判断する方法
まず、対光反射を観察するためには瞳孔径の正常の大きさを頭にいれておく必要があります。慣れないうちは、メモリをみないと異常に気づけないことも多いですが慣れてくると目視で判断できるようになります。
ピンホールとよばれる瞳孔の大きさがあきらかに小さくなれば新人看護師でもわかるくらい明らかに黒目が小さく見えます。
慣れないうちは、ペンライトにも瞳孔の大きさのスケールがついているものも多いですのでそれ大きさを確認しながらしっかり正しい瞳孔の大きさをみれるよう
になりましょう。
瞳孔は明るい場所と暗い場所では大きさが違います
また、瞳孔を観察する場所にもより大きさは変わります。採光(光の環境)により正常値は変わります。
・明るい場所では縮瞳し小さくなり2.5mm~4.0mmよりは小さいです。
・暗い場所では、散瞳しますが正常な2.5mm~4.0mmの範囲内です。
ピンホール様の瞳孔をしていたのはなぜなのか?
ピンホール様の瞳孔縮小は、睡眠導入剤などの抗コリン作用が働く製剤によって起こる中毒症状により出現します。逆に瞳孔が散大しているのは、モルヒネなどのコリン作用が働く製剤によって起こる場合です。それ以外に、脳神経外科領域の疾患では、脳幹梗塞、脳内出血(橋出血)や小脳出血を起こして延髄や神経が損傷している可能性が考えられます。
そもそも対光反射はどうして起こるのか?
先ほども説明したように
・明るい所では人の眼は縮瞳し瞳孔を小さく
・暗い所では人の眼は散大し瞳孔を大きく
瞳孔に入る光を調節しているわけです。
この調整は脳でされます。
つまり、正常な対光反射ができないと脳に異常があるということです。
脳の病気で対光反射を確認するのは、眼の神経が脳に関連しているからです。
脳死判定の際の判定材料や、全身麻酔からさめる際にも判断する材料になってるのはその理由があるのです。
また、対光反射が鈍麻になったり、消失することがあります。それは、対光反射の経路が中脳周辺にあるからです。そのため、脳出血などの頭蓋内圧亢進する疾患の場合は、圧迫するのでその経路を遮断し障害するのです。
さらに、看護師としてここで気付くべきことはは「急な対光反射の鈍麻や消失」は中脳レベルでの障害の疑いがあるため、すぐに医師へ報告します。
瞳孔の観察の手順
①意識がないか麻痺している方の観察することが多く、瞼を持ち上げ瞳孔の観察をする
②ペンライトを、片目ずつ患者さんの目の外側から内側に向かって当てる。
*目に対して垂直にペンライトの光を当てます。対光反射が確認しにくい場合は、60°くらいの角度から光を当てて観察するとみやすいこともあります。
②もう片方の目も行います。
*”対光反射”とは、瞳孔に光を与えたときに、瞳孔が小さくなる反応のことです。対光反射の判定には、迅速・緩徐・消失があり、正常なのは「迅速」の状態です。
*両方が動かないかなら重篤な意識障害、どちらか片方だけが動かないかないなら脳障害か視神経障害、があることが予想されます。
*瞳孔径を測るなら、室内の明かりだけで測ります。
瞳孔を見るのに外来や脳外科、ICUで働く看護師はペンライトを持ち歩いてたりします。
瞳孔をみて「アニソコでてる」とか「対抗反射はある」といった言葉はよく聞く言葉です。
瞳孔の観察になれていないと緊急場面でバタバタさせてしまいます。
正常範囲であれば、問題はないですが緊急場面ではモタモタしてはいられないのでさっと持っているペンライトを出して瞳孔径と対光反射の観察を即確認できるようにしましょう。
ペンライトのおすすめ
「豆電球のペンライト」か「ソフトLEDペンライト」がおすすめです。値段は高いですがハロゲンライトもおすすめです。
ソフトLEDペンライトがおすすめではない理由
①光量が多すぎる(目によくなく、問題のない患者に使うのは眩しく不快になる)
②LEDは青みがかかった光なので赤い色がみにくくなる
最近は、光がだいたい色のソフトLEDなどもでてたりするがLEDのペンライトがほとんどなので気にもせずLEDのペンライトを使っているかもしれないがこの2点だけは知っておいてください。
患側側の対光反射の消失や瞳孔散大があるとなぜ障害側に異常が出るのか?
神経が左右交差するのは、四肢・胴体の感覚、運動神経です。
顔の神経系は交差していないので、障害側に異常が出ます。
なので、眼は健側、体などは患側に異常がでます。
コードブルーで使われていた緋山(戸田恵梨香)のペンライト
商品名「ADCソフトLEDペンライト ADC-360」
コードブルーで緋山先生役の戸田恵梨香は、ADCソフトLEDペンライトのゴールドの色を使用していました。
重さは45gと軽量です。ソフトなイエロー系のLEDランプを使用していますので目に優しいです。デザインもかっこよくておすすめです。
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メディカルライト 交換用ニップル球
昔ながらのLED電球ではないニップル球です。
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