どのような熱型であるかによって疾患の見当をするのに役立ちます。
熱型を把握するために、解熱剤をなるべく使わずに発熱の経過を追っていくこともあります。
体温計

体温調節は視床下部でされています

体温は視床下部で体温調節されてます。

視床下部のその他の働き

・食欲等の本能行動
・体温、血圧の調節
・自律神経機能の中枢

視床下部は司令塔的存在です。

平均熱は?

感染症法では、37.5度以上を発熱、38.0度以上を高熱
通常の発熱では、体温は、体温調節機能が人間にはあるため41.5度を越えることがないようになっているため脳障害はおきませんが熱による合併症で怖いのは肺炎です。
脳障害が起こるのは、髄膜炎・脳炎など脳自体に発熱の原因がある場合です。

平均体温を調査された結果

  •  1957年に東京大学
  •  水銀血圧計を用い、腋窩体温を30分以上かけて正確に測定を実施
  •  3094人対象
  •  結果(平均熱):36.89度
  • 2008年テルモ株式会社
  • 「あなたご自身とお子さまの「平熱」は何度だと思いますか。」インターネットによるアンケートを実施
  • 1000人対象
  • 結果(平均熱):ご自身(親)が36.14度、子供が36.39度

体温計の種類

体温

・水銀体温計は、正確ですが「口腔5分、腋窩10分」以上はさむことが必要になります。
・電子体温計・耳式体温計は、短時間で測れて便利ですが、予測式なので正確とはいえないです。
なので多少高くか低くでますがそれほど誤差はないため通常使用するのには問題ありません。
・婦人体温計
・直腸体温計
・耳式体温計は、体からは体温に相当する赤外線が出ているので、耳内温をたっ
た1秒で測ります。赤外線量を検出することで、体温を測ります。

測定部位による体温の温度差

体温計と熱型を知りたい看護師
なぜ体温を測る部分が決まっているかというと、体には周りの環境の温度が変わっても、温度が変わらない場所がありそこで測るのがベストだからです。人それぞれその体温は違いますが

そして、核心部の温度のことを、体温(核心温、深部温)という。
直腸≧耳腔>口腔内>腋窩
*口腔は腋窩より0.3~0.4度高い。
*直腸は腋窩より0.5~0.9度高い。
しかし、予測式で測定する場合は多少の誤差があります。
最もよく測定される腋窩の温度は、熱の産生が低く、反対に放熱作用の強い皮膚温を測定するので、直腸温や口腔温、鼓膜温に比べて最も低い温度が測定されます。

体温はどこで測定するのがよいのか?

深部温に近いのが一番近い体温なので直腸温がで測るのが正しいです。
また、手術室では直腸計温できような器械があり、心電図のモニターに直腸温がでるようなもので測定を要する場合があります。
死亡推定時刻を計算するため、直腸温を測定することにもなっています。

予測式体温計とは?

テルモのある体温計では、1,000例あまりの体温測定データを記憶したマイクロコンピューターを内蔵しています。それで、予測して体温を予測しています。

1日の体温の変動

体温は1日の中で、変動があり朝低くて夜に高くなります
また、測る部位にも違います。
主に腋窩で測ることが多いです。
しかし、汗で濡れていると正確に測れなかったりします。
赤ちゃんも腋窩で測るのは動いたりして難しいこともありますので、
状況に応じて測るようにしましょう。

乳幼児と高齢者の体温の違い

・乳幼児は、熱産生が激しく、体温調節機能はまだ十分に発達していないので、
熱放散がうまくいかないため体温が高い
・高齢者は、加齢とともに、熱産生が激しくなく、体温調節機能も低下してきて
いるため、体温が低い傾向があります。

低体温とは?

医学的な「低体温症」とは、救急医学会の「偶発性低体温症」の定義では、体の中心部の温度が35度以下のこと
原因は全身衰弱、粘液水腫、環境温の低下などである。身体諸機能の低下や障害が起こり、この状態が続くと凍死を招きます。

4つの熱型表(グラフ)

熱型グラフ(表)

日本医科検診センターHP

熱型の種類と読みかた

熱型表も難しいですが4つの熱型の漢字も難しいですのでしっかり覚えましょう。

熱型 熱型の特徴 疾患
稽留熱けいりゅうねつ 日内変動(日差)が1℃以内の高熱 肺炎、腸チフス、粟粒結核 、脳炎など
弛張熱しちょうねつ 日内変動が1℃以上の高熱で、低いときでも37℃以上あるもの 敗血症、腎盂腎炎、膀胱炎、感染性心内膜炎、インフルエンザ、肺膿瘍、卵管炎化膿性疾患、腫瘍熱、血管炎や膠原病
間欠熱かんけつねつ 日内変動が1℃以上の高熱で、低いときには37℃以下になるもの 熱帯熱マラリア、胆道感染症(Charcot fever)、腎盂腎炎など
波状熱はじょうねつ 有熱期と平熱期(無熱期)が不規則に繰り返されるもの Hodgkin病のPel-Ebstein feverが有名。他にブルセラ症がある。
周期熱 規則的な周期をもって発熱が繰り返されるもの 家族性地中海熱、三日熱マラリア、四日熱マラリアなど。
二峰性発熱にほうせいはつねつ 小児のウイルス性疾患では初期の発熱がいったん解熱した後、再度発熱するものがあり、こう呼ばれる。

間違いやすい熱型

 

・「稽留」とは、「とどまること」という意味です。熱が高い状態でずっととどまっているということ。
他に稽留流産とかは聞いたことはありますね。胎児が死亡していて、子宮内にとどまっている流産のこと。

・「弛張」(しちょう)とは、「ゆるむことと、はること」という意味です。熱が上がったり下がったりする様を表しています。

・「波状熱」も波があるということで上がったり下がったりすることを言います。
なので弛張熱と間違いやすいかと思います。
平熱が続いたと思えばぽーんと高熱が出て、下がったと思えばまたぽーんと上がって・・・・というように、高熱と平熱が一定期間を置いて交代で現れる点です。
*波状熱は、熱のある時期と熱のない時期が、不規則に、そして数か月にわたって交互に繰り返されるのが特徴です。