ガーゼを使う理由は?
・出血の抑制
・液の吸収
・擦過傷
・乾燥又は汚染からの保護のため
適用することが目的です。
擦り傷などでは、滅菌ガーゼを使われることが少ない。
滅菌されていないガーゼが使われる。
手術中のガーゼの使用目的は?
出血の抑制
液の吸収
が主な用途である。
手術中、血管にあたってしまった場合はガーゼをあてるため、大量に使うことが多い。また、術野をよくみるためや手術器械を拭くためにもよく使われる。
ガーゼカウントの目的
ガーゼの置き忘れ事件防止
出血量の測定と手術中の枚数の確認のために行う
ガーゼカウントの方法
ガーゼの置き忘れ事件の予防は3段階で行うことが一般的
①目視によるチェック
②枚数カウント(Wチェック)
③レントゲンチェック
注意すること
・③レントゲンチェックでは、レントゲンに映るガーゼではなくてはならない。エックス線造影糸入りの線付きガーゼなどとよばれるガーゼである。
しかし、線付きガーゼを導入されている病院が少なかったりするので医療事故防止のためには導入はすべきである。
・レントゲンによる確認も徹底していない病院も多いようだ。
しかし、レントゲンは撮影していても
・ガーゼが臓器により隠れてしまって映らない
・撮影部分はガーゼがある部分の場所ではなかった
ガーゼカウントを確実に行うようにするためのもの
ガーゼカウントホルダー
株式会社アクセルで15000円100枚入りを販売している。最大20枚カウントできる。
1枚あたり150円。賠償金額を考えるとすごく安いと思う。
針カウンターも販売している。5ピース×70シート入で8400円で1枚あたり120円ほどである。こちらも合わせて使用するとよいと思う。
ハクゾウメディカル株式会社のガーゼカウントホルダー
38,800円 26,400円で100セット入り。1セット264円。最大20枚カウントできる。
ガーゼによる出血量測定
外回り看護師はバケツに落とされたガーゼを出血量測定量のボールでひろい重量を測定する
総重量からガーゼの重量を引き、出血量とする
総重量-(3g×ガーゼの枚数)=出血量
腸用ガーゼの場合は以下の重量を引き、出血量とする
乾ガーゼ:3g 湿ガーゼ:6g 覆ガーゼ35g
吸引管による出血量測定
術野から吸引された血液は吸引管の目盛りを見てガーゼ出血量に加算する
術野で生理食塩水分を使用した場合は希釈されるため、機械出し看護師に確認し、生理食塩水分を引く必要がある
出血量測定用紙には病棟名、患者氏名、血液型、測定時間、外回り看護師氏名あんどを必ず記載し、責任の所在を明確にする
OPガーゼX/滅菌OPガーゼXの例
(オオサキメディカル株式会社のHPより引用)
●X線造影糸を織り込んだ手術用ガーゼです。
●万一体内に遺残した場合にも、レントゲン撮影により位置が特定できます。
●1枚(30cm×30cm)あたりの重量(約3g)が一定で、出血量の測定に最適です。
●青線、黒線と2種類のX線造影糸があります。
●サバキやすい特殊折(三角折・イカ折)もあります。
ガーゼの事故例
①千葉県がんセンター(千葉市)で昨年12月、腎臓癌術後の手術を受けた60代女性が、今年2月に再びセンターを訪れて腹痛や嘔吐(おうと)などを訴え、体内に医療用ガーゼが残っていたため摘出手術を受けていたことが6日までに、関係者への取材で分かった。女性は腸閉塞になった可能性があるが、命に別条はなく経過は良好で退院にいたっている。
原因は、ガーゼ確認が適切におこなわれていなかったことによる。
千葉県がんセンターでは再発防止策をとして以下とったとhp上でも公表している。
1)医師は閉創を決める時点で手を止める。その際すべての種類のガーゼにつきガーゼカウントを医師と看護師によりダブルチェックで行なう。閉創前のガーゼカウントの発声は執刀医または麻酔科医師が行ない確実に手を止めて実施する。
2)各種ガーゼはそれぞれカウント用紙を用いて使用済のガーゼを数える。
3)手術後のX線撮影は、全例において、全身麻酔終了直前の気管挿管チューブ抜管前にポータブルX線撮影を行なう。読影は診療科医師または麻酔科医師など複数の医師で確認したうえで全身麻酔を終了する。
②2014年県立新発田病院は、大腿骨内の腫瘍摘出手術をした女性患者の体内に27年間ガーゼを放置したことが明らかになった。
病院によると、女性は1987年に新発田病院で右大腿骨の固定手術を受けた。病院はその際に、血を拭くためのガーゼを置き忘れたという。2014年に別の病院で右大腿骨の腫瘍を摘出したところ、「肉芽腫」と呼ばれるしこりの中からガーゼが見つかった。
女性の右膝は可動域が4分の3程度で、正座できない後遺症が残った。損害賠償額は約870万円だという。
③2011年11月には福岡大病院が心臓の人工弁の手術をした80代の女性の体内にガーゼを置き忘れ、動脈に付着したため2日後に死亡する医療事故があったと発表。15年12月には新潟県内の病院が、腹痛などを訴えた患者の体内から37年前の手術で置き忘れたガーゼを摘出し、謝罪した。
体内にガーゼが残存した事例の集計
(公益財団法人日本医療機能評価機構 より引用)
2010年から2015年の本報告書分析対象期間において報告された、体内
にガーゼが残存した事例122件についてまとめてありました。
これは、報告があったものだけで実際はもっと事例はあります。
某掲示板や弁護士相談のHPでも何件かこれは医療事故ではないか?という被害者側の意見が何件も見受けられた。
看護師として、死や健康に関わることなのでしっかりしてきたいです。
2017年ガーゼ残存を実際した事例は26件
日本医療機能評価機構の集計で、2017年に全国の医療機関から26件の報告されました。ガーゼの置き忘れは血管や臓器などを圧迫し、最悪過去に死に至るケースもありました。
法令に基づき医療事故の報告が義務付けられている大学病院や国立病院機構の病院などは17年12月時点で276施設。このうち医療機関から報告された16年のガーゼの置き忘れた件数は22件、15年は25件。12年以降、毎年20件を上回っています。これは報告が徹底されている背景もありますが多いですね。
手術時には止血などのためにどうしてもガーゼを体内にいれ止血しないといけない場面があります。しかし、そのせいでガーゼ残存してしまい患者に悪影響を与えてしまうのは注意と閉創する前に手術室内での意識づけとガーゼカウントはかなり重要になります。