認知症
【概要】
人間の活動は脳の司令塔によって行われています。それがうまくいかなくなれば精神的にも異常が出てきます。
昔は痴呆症とも呼ばれていた認知症。脳が死んでしまったり働きが悪くなったりしてしまい症状が現れます。
近年高齢化に伴い、認知症の患者も増加傾向です。2025年には現在の1.5倍の患者数700人にもなるといわれています。
認知症の種類もいくつかあり、以下の4つがあります。
・アルツハイマー型認知症 全体の約60%
・脳血管型認知症 全体の約20%
・レビー小体型認知症
・前頭葉側頭型認知症
一番多くみられるアルツハイマー型認知症が老化に伴う認知症です。
初期の症状は物忘れであり、なかなか認知症との判断も難しいです。
物忘れは、例えば今日朝なにを食べたかわからない。でも朝食べたことは分かっている状態です。
認知症になると食べたことも忘れてしまい、家族や介護者にまだ食べてない!と訴えてきます。
このアルツハイマー型認知症は徐々に進行していくもので急激に変化することはありません。
【症状】
まず初期では最近の出来事を忘れてしまう。昔のことはよく覚えているのについさっきのことを忘れてしまい、
何度も同じ話をしてしまいます。そして、今日が何月何日なのか、何年なのかわからなくなります。
会話や日常生活にも大きな支障もなく、症状が進んでいきます。
症状が進んでくると、新しい出来事はまったく覚えていなくてすぐ同じことをしたり、さらには昔のこともあいまいに
なってきたりします。
日常生活にも影響が出てきて、自分のいる場所もわからなくなり、症状が悪化してきたら
自分の子供のこともわからなくなることも出て生活を送るのが困難になってきます。
またトイレにいくこともできなくなり失禁してしまったり、徘徊をしたりします。
【治療】
認知症は治らないといわれているためどうせ病院に行ったってしかたないと考えられることも
多いですが、これは誤りです。早めに受診することで進行を遅らせる方法もあるし、
認知症ではなくなにか脳疾患が原因で症状が出ているだけかもしれません。
脳疾患であれば治療を行えば劇的に回復することもあります。
認知症の初期の診断は難しい。専門の医療機関への受診が不可欠です。
認知症の進行を進行を遅らせる内服は、アリセプトやメマリーが有名です。しかし、副作用もあるため
医師の指示に従い内服すること。そしてどんな内服薬も大切なことですが自己判断で内服を中止したり、多量に
内服したりしないようにすること。
あとは、根本的に治すことは困難であり、その人がその人らしく過ごせるようにしていくことが大切です。
【看護】
基本的に一人の人間として、また人生の先輩として対応をしていくこと。
そして介護者が家族であれば家族のケアも大事です。
認知症である人の発言や行動を否定したり、攻撃的な発言をしてしまうと本人は、余計に興奮をして
攻撃的になったりするため危険です。
そして、認知症の症状が進めば、生活援助も必要です。自分で身の回りのことでできないため
食事介助、トイレ介助、そしておむつ交換もその人に合わせた援助が必要。
怒ったり、怒鳴ったりすると、自分の人生を否定されたと感じ取り、ふさぎこんだようになったり、突然暴れだしたりすることも
あります。
そしてなにより自宅で介護されている家族には、認知症について知識をつけてもらいます。
デイサービスやショートステイなどもあるのでうまく活用をして介護者もストレス発散ができるような環境作りも必要です。