ハラスメントとは
嫌がらせやいじめを言います。
その種類は様々で、他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを言います。
厚生労働省は2016年度から、マタハラやセクハラ、パワハラなど職場での様々な嫌がらせに対応する部署として「雇用環境・均等部」を全国の47労働局に新設する方針を固めた。
平成26年度に各労働局に寄せられた相談はマタハラが4028件、セクハラが1万1289件、パワハラを含むいじめや嫌がらせが6万2191件も寄せられています。
事例
・「威圧され適応障害」…看護師長のパワハラで訴えられ120万円される事例。
・看護師の資格を取得するために看護学校に通学しながら病院で准看護師として働くCに対して先輩から行われたいじめとも言えるパワハラがおこなれ、その結果Cさんは自殺。遺族が加害者である先輩や病院に対して損害賠償請求が認められた事例。
・2014年広島市の病院に理学療法士として勤務していた女性が妊娠を理由に降格されたことが、男女雇用機会均等法に反するかが争われ、約175万円の賠償を病院側に命じた。女性が逆転勝訴した事例。
(最高裁は「妊娠による降格は原則禁止」とする初の判断を示した。)
・妊娠を理由にした解雇を撤回するよう求めた国の是正勧告に従わなかったとして、厚生労働省は9月4日、男女雇用機会均等法に基づき、看護助手の女性を解雇した茨城県の医院名を公表した。
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女性から相談を受けた茨城労働局が3月以降、解雇を撤回するよう助言や指導、勧告を行ったが拒否。7月には厚労省が是正を勧告したが、理事長は「雇用機会均等法を守るつもりはない」と答えたため、公表に踏み切った。
・マイナンバーは従業員が会社や職場に提出する義務はありません。マイナンバー提出を強制するとこともパワーハラスメントになっているのです。
マタハラ(マタニティーハラスメント)
「働く女性が妊娠、出産を理由に解雇、雇い止めをされることや、職場で受ける精神的、肉体的なハラスメント」と定義されています。妊娠や出産を控えた者、又は経験者に対して行われる嫌がらせのことを言います。
主に仕事に関係し、職場において退職や退職へ追いやられるといった不当な扱いを受けるなど精神的ストレスで流産の危機にさらされる場合もあります。
なんと実に四人に一人に相当する25%が経験しています。
日本医療労働組合連合会の調査では、妊娠中に切迫流産を経験した看護職は2009年に34%もいます。
妊娠・出産に対する職場の対応はまだまだ不十分なことが多いです。
法では、、、
・男女雇用機会均等法は妊娠や出産、産休取得などを理由にした解雇の禁止に加え、
2006年の改正で、降格や減給、配置転換など解雇以外の不利益な取り扱いについても新たに禁じている。
企業には、保健指導に基づき妊婦の勤務負担を軽くすることなどを求めている。
・労働基準法も「産前産後の女性は休業期間およびその後30日間は解雇してはならない」と明記。
育児・介護休業法も産休や育休を理由とした解雇を制限している。
例、、、
・育児休暇明けに時短復帰したら異動させられた
・育児休暇を取得しようとしたら退職をすすめられた
セクハラ(セクシャル・ハラスメント)
性的な嫌がらせやいじめの事を意味します。
本人が意図する、しないにかかわらず、相手が不快に思い、相手が自身の尊厳を傷つけられたと感じるような性的発言・行動を言います。
例えば、、、
・直接的に体に触られた
・嫌がる相手を無理に誘われた
・「恋人はいるの?」「結婚は?」
・飲み会の席で、ソファーに押し倒す、顔を近づける、手にキスをするなどの行為をされた
・着替えなどを隠し撮りされた。
パワハラ(パワー・ハラスメント)
職場での地位や人間関係などの職場内の優位性を理由に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為のことを言います。
閉鎖的な環境において立場や権力や階級といった上下関係を利用し、おおよそ下位に当たる者に対して本人の意志に反する事を強要すること。一昔前だと、私的な感情によるクビの宣告や重要なプロジェクトから外すなどわかりやすいものが多かったのですが、最近では些細な事でもパワハラに繋がりますので、働く社会人としてはしっかり知識を持っていたいハラスメントのひとつです。
医療機関や会社・組織でのパワハラやいじめについてのアンケート調査を集計した結果、90%の社会人が体験した事があるという回答が得られています。パワハラやいじめを受けた事のない方でも、そういった行為を半数近くが見たり聞いたりしています。
例えば、、、
・「給料泥棒」「能無し」などと言われる、メールが送信されてくる
・仕事が徐々に減らされていく
・仕事を与えられない
・挨拶や会話を無視される
・暴力や身体的ダメージを受ける傷をあたえる
・プライベートに関して行き過ぎた干渉をされる
・人格否定
・体調が悪くても出勤を強要する。
・勤務時間が過ぎて仕事が終わっても帰らせない。残業を強要される。
・サービス残業させられる
・掃除や整理など能力以下の仕事を必要以上に強要される
ハラスメントを受けたら
まさか自分がこんなことに会うなんてと思う方も多いはずです。
どうすれば良いかわからないか方も多いでしょう。
そんな場合はすぐに所属長に相談しましょう。一人で悩んではいけません。
そしてその事実や証拠を保全しておきます。電話の通話履歴やメールを残す、されたことをメモしておくことも大切です。またパワハラを秘密に録音することは、自分の声があるかぎり、違法ではありませんのでひどいハラスメントを受けている方は録音することも重要な証拠になります。
相談だけでも「雇用環境・均等部」にしてみることをお勧めします。