一人前の看護師として、認められるようになるになるには急変時にはしっかり1人でも対応しなければなりません。
ベテランの先輩看護師が近くにいれば安心だが、一人で急変時に対応できることは一つの自信にもなります。
また、急変時に対応できる知識とともに経験も大事だが率先して対応していかないといざというときに医師任せになってしまいがちの看護師もいます。
指示された看護しかできないために薬剤を医師が間違っても気付かず患者に投与してしまうことで命をおとしてしまう恐れもあります。
そのため、急変時の対応を看護師としてしっかり身につけておく必要があります。
急変時の対応の流れ
患者の急変
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急変の状況を把握し必要な処置をする
意識確認、呼吸確認、脈拍触知、バイタルの準備、血管確保、気道確保、酸素投与
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医師、他看護師の応援を呼ぶ
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急変の対応
急変の起こりうるケース
①アナフィラキシーショックの対応
アナフィラキシーショックとは?
例えば、ダニや花粉に対して反応し、アレルギー症状(鼻水、くしゃみ)がでる。
このとき、反応したのがigE抗体とよばれるもので原因に対して反応し、血管拡張を引き起こす。急変時にはこれが下記に示す薬剤などが原因となる。
※じんましんがでて呼吸困難訴え、血圧が下がったらアナフィラキシーショックを疑え!
Hugh-Jones分類(ヒュー・ジョーンズ分類)
息切れや呼吸困難の程度を表す指標です。
ヒュー・ジョーンズ分類における呼吸困難の程度の分類はⅠ度から始まり、最も重症であるのはⅤ度となっています。数字が少なくなるほど軽症で、数字が上がっていくほど重症であると分類されているというわけです。
*これは慢性呼吸不全・呼吸困難の指標で、心不全からくる呼吸困難にはNYHA分類という指標で分類をします。
I度 | 同年齢の健康者と同様の労作ができ、歩行、階段の昇降も健康者並にできる |
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II度 | 同年齢の健康者と同様に歩行できるが、坂、階段の昇降は健康者並にはできない |
III度 | 平地でさえ健康者並には歩けないが、自分のペースでなら1.6km(=1マイル)以上歩ける |
IV度 | 休みながらでなければ50m以上歩けない |
V度 | 会話、着物の着脱にも息切れがする。息切れのため外出できない |
→最初はかゆみや息苦しさ
→血圧が下がる、心拍質量の低下
アナフィラキシーショックの特徴
・数秒~数分で反応
・過去に一度、原因となるものに反応し、igE抗体をつくっている
アナフィラキシーショックの原因
・輸血
・注射
・造影剤
・抗生物質
・食物アレルギー(卵、牛乳、そばなど)
急変の対応は3つがポイント
⑴気道確保、下肢挙上(45度)、マスクで酸素投与(6−8l)
*意識が戻らない場合、咽頭浮種がみられた場合は、気管挿管を行う
⑵血管確保(生食1Lから2Lを全開で流す・輸液開始)
⑶血管作動薬投与
・アドレナリン筋注
・抗ヒスタミン(強力ネオミノファーゲンC)
・気管内挿管(咽頭浮種がみられたら、マスク、ラリンゲルマスクの場合は入れ替えをする)
・ステロイド剤(ソルメドロール125mg iv)
・ドーパミン(ノルアドレナリン、硫酸アトロピン)
・エピネフリン(血管収縮薬)筋注を行って反応が悪ければ10分から15分ごとに追加投与を行い、最大1mgまで投与する。
エピネフリンとは?
ドラマでもよく聞かれる有名な薬剤『ボスミン』「アドレナリン」などとよばれることもある。
エピネフリンの効能
・けいれん時の緩和
・局所出血をすくなくする(キシロカインEとよばれるEはエピネフリンを指す)
・心拍数増加、血圧を上げる
*これは、急変時にはもってこいの薬だとわかりますね。
・エピネフリンは”ドパミン塩酸塩”
『IgE』に関係なく、アナフィラキシーショックのような症状が起こった場合は、
『アナフィラキシー様症状』になります。
アナフィラキシーショック(急変)時の薬の使い分け
・心配蘇生:エピネフリン(アドレナリン)
・心原性によるショック(心筋梗塞):ドパミン
・出血によるショック:ドパミン
・リドカイン(抗不整脈薬)
*致死性の不整脈が出たときに使うことが多い