花粉症はアレルギー反応の1つである。

人体には体外から侵入してくる異物に対して、その物質を排除しようとする働きがある。
その物質に対抗する物質を「抗体」と言い、体を守ろうとする。
そして、抗体がある一定量になったとき、抗体と結びついて今までとは違った反応を示すようになる。
この反応が体にとってよく働く場合を「免疫」と言い、人間が病気から体を守るために活躍するシステム。
しかし、免疫はときと場合によって、人体に不快な症状を招くこともある。
この不快な症状が「アレルギー」であり、花粉症もその一種である。

花粉症と風邪の症状の違いとは?

花粉症の主な症状は「くしゃみ」や「鼻水」「鼻づまり」など。
つまり、風邪の症状とよく似ているのだ。
その症状が花粉症なのか風邪なのか分からずに困る人は多いであろう。
花粉症であるにもかかわらず、風邪だと思い込んで対処せずにいると花粉症は悪化する。
たとえば、立て続けに何度もくしゃみが出る場合は、花粉症である可能性が高い。
また、花粉症の鼻水は水っぽいのが特徴。
風邪の場合は数日で黄色っぽく粘り気が出てくるため、区別しやすいと思う。
さらに、花粉症による鼻づまりは息ができないほど苦しいことが多く、風邪の場合とは少し違う。
このほかにも、花粉症では目のかゆみや充血が現れることが多くなっている。
風邪で目がかゆくなることはほとんどないため、この症状によって初めて花粉症であることに気付く人も多い。

現在、日本で確認されている花粉症の原因となる植物は60種類以上にもなる。
このうち約70%を占めるのがスギ
これは第二次世界大戦後、森林資源の増大や回復を目的に大量の植林がなされたためである。
これだけの量のスギ花粉が風に乗って日本中を飛び回るのですから、花粉症になる人が多いのもわかる。
年を追うごとに患者数が増加しており、有病率は25%を超える。
患者数は男性よりも女性に多く、年齢では男性の患者が10代に集中しているのに対し、
女性は10~40代と幅広い年代の人に症状が現れているのが特徴である。

春の花粉症

一番花粉症の人が増加する時期です。樹木の花粉が飛び始め、
もっとも広く花粉が飛んでいくピークなんです。

・スギ(2~4月)北海道を除く全国
・ヒノキ(3~5月) 関東以南
・ネズ(4~5月) 北海道を除く全国
・シラカンバ(4~5月) 関東以北
・ハンノキ(1~6月) 全国
・オオバヤシャブシ(3~4月) 関東
・コナラ(4~5月) 全国
・リンゴ(4~5月) 主に東北
杉花粉

夏の花粉症

この時期に多い花粉症はイネ科が主でなかでもカモガヤです。

・カモガヤ(4~7月) 全国
・オオアサガエリ(4~7月) 全国
・ハルガヤ(4~7月) 全国
・ホソムギ(4~7月) 全国
・スズメノカタビラ(3~5月) 全国
カモガ

秋の花粉症

寒くなってくる時期なので風邪と勘違いしていることも多いです。
1週間以上症状が続き、鼻水が水っぽいなら花粉症の可能性が高いです。
この時期の花粉症に多いのがブタクサです。

・ヨモギ(8~9月) 全国
・ブタクサ(8~10月) 全国
・オオブタクサ(8~10月) 北海道を除く全国
・カナムグラ(8~10月) 全国
・ヒメスイバ(5~6月) 全国
・ギシギシ(5~8月) 全国
・カラムシ(9~10月) 北海道を除く全国
よもぎ

冬の花粉症

冬は一番花粉が飛んでいない季節ですが、少しだけなら晴れの日に飛んでいます。
12月でも暖かい日は秋の植物の花粉が飛んだり、イネ科の花粉やスギ花粉も
暖かい日ならば早いと1月中ごろから飛び始めます。
鼻水や鼻づまり・・・朝に鼻炎症状がひどくなるのはなぜ?

いくつか説があるようですが一番有力なのは
交感神経と副交感神経が関係しているというものです。
鼻炎症状が強く出るのは朝と夜に多いためです。

おやすみモードの夜~朝は副交感神経が強くなります。
この副交感神経が鼻水や鼻づまりを起こします。
なので朝に鼻炎症状がひどくなりやすいと言われています。

症状は?

主に目と鼻です。
・鼻の症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり)
・目の症状(かゆみ・涙・充血など)「季節性アレルギー性結膜炎」とも呼ばれる
・喉の症状(かゆみ・痛みなど)
・その他(皮膚の痒み・下痢・熱っぽい)

*鼻づまりの結果、口呼吸になると、睡眠不足や喉の乾燥・痛み、匂いや味がわからないといった症状を引き起こす。
*その他、集中力・思考力・記憶力の低下、倦怠感・疲労感、イライラする、憂鬱になるなど、日常生活に影響を及ぼす。

花粉症は何科に行けば良い?

・内科
・耳鼻科
・耳鼻咽喉科
・眼科
・アレルギー科
のどれかになります。
病院選びのポイントは「通いやすさ」です。
薬を貰うのには1か月に一回は通院の必要があるので通いやすい方は良いです。
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■検査
血液検査・皮膚検査・眼の検査・鼻粘膜の観察など
*検査しなくても、薬だけ処方することも多いです。
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■血中IgE検査
血中のIgEの量を調べていきます。

※IgE
IgEとは、免疫グロブリンの1種で血液・組織液の中に存在します。
喘息や花粉症などのアレルギーを引き起こす抗体を指します。

検査代はいくらかかるのか?

検査には2種類あり、血中の総IgE量を調べる検査と、花粉などに反応する特異的IgEを調べる検査があります。1度の血液検査で、12種類ほどのアレルゲンがわかります。種類は病院によって違いますが、項目を追加するたびにお金がかかりますので注意してください。
検査代は、だいたい3000円から6000円ほどで受けることが出来ると思います。結果が出るまでに約1週間と時間がかかります。

もう少し安くしたい場合は?

検査項目1つでも検査できる施設もあるので医師相談してから採血してもらいましょう。検査項目1つにつき250円(保険適応後)くらいです。
つまり、検査項目が増えればそれだけ検査費用も増える計算になります。
例えば、花粉症の方がスギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギの5項目を検査した場合は
250円 x 5項目 = 1250円
だいぶ安くなりましすね。

治療

投薬(抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、鼻噴霧用ステロイド薬など)

対策

鼻水

・帰宅後はうがいをし、鼻をかむ。
・花粉の飛散量の多い日は窓や戸を閉める。
・室内の掃除を励行する。
・マスクをこまめにとりかえる。「朝一枚、昼一枚、夜一枚」がベスト
・お布団用掃除機を使用する
・コートは室内に持ち込まない。(玄関などにおいておく)
・ダニやホコリをシャットアウトする防ダニ掛布団カバー
・除菌マスクケースに入れてマスクを持ち運ぶ
・花粉に~とかいてある飴をなめる。
・就寝時もマスクをしてねる。
・コンタクトはワンデータイプを使う。ひどい場合はメガネを使用になる人もいるが、、、。
・洗濯物は室内干しにする。洗剤も室内干し用にしとこう。
・べにふうき茶を飲む。他にも花粉に効くお茶などや食品もあるため試すことも良いでしょう。
・アルコールやタバコを控える、食事や運動、休養に気を配るなどして日頃の生活習慣を改善し、体の免疫力を高める。
・空気清浄機、加湿器を使用する。加湿器はほぼ24時間稼働させると効果が高いです。当然、換気も必要ですが、窓を開けると花粉が侵入するので、
・マンション住まいの場合は「給気口」に給気口フィルター」を取り付けるとよいです。
花粉に効く抗ヒスタミン薬とは?
・ヒスタミンとは一言で言うと様々なアレルギー反応を起こす化学物質のうちのひとつでその薬だから抗ヒスタミン薬。
・価格は薬2週間のみで、1800から2000円。
それに加え、初診料や診察料もかかるので5000円くらい持って病院に行かれる事をお勧めします。
・花粉症が飛散しはじめる2~3週間前から服用するのが良い
・薬の服用を止めてしまうと、アレルギー症状が出てしまう可能性が高いため花粉症の薬は飲み続けること
・従来の抗ヒスタミン薬(第1世代)では、副作用として眠気・口内の乾燥が起こるのが特徴でした。しかし、第2世代と呼ばれる抗ヒスタミン薬で、その副作用がかなり改善されています。
市販薬
アレグラFX 抗ヒスタミン薬(第2世代) 1回1錠
1日に2回 15歳以上 ほとんど起こらない
アレジオン10 抗ヒスタミン薬(第2世代) 1回1錠
1日1回 15歳以上 起こりにくいが、服用後の運転は避ける
ストナリニZ 抗ヒスタミン薬(第2世代) 1回1錠
1日1回 15歳以上 起こりにくいが、服用後の運転は避ける
プレコール
持続性鼻炎カプセルLX 抗ヒスタミン薬(第1世代) 1日2回
15歳以上:1回2錠
7~14歳:1回1錠 7歳以上 起こりやすい。服用後の運転は避ける
処方薬
ザイザル錠5mg 抗ヒスタミン薬(第2世代)
クラリチン錠10mg 抗ヒスタミン薬(第2世代)
アレグラ錠60mg 抗ヒスタミン薬(第2世代)
アレジオン錠20 抗ヒスタミン薬(第2世代)
ジルテック錠10 抗ヒスタミン薬(第2世代)
エバステル錠10mg 抗ヒスタミン薬(第2世代)
アレロック錠5 抗ヒスタミン薬(第2世代)
タリオン錠10mg抗ヒスタミン薬(第2世代)

抗ヒスタミン薬の注意点とは?

・まず腎障害or腎障害の疑いがある人は一人で勝手に使わないこと。血中濃度があがりすぎて薬の効き目がでたりでなかったりする。

高齢者も慎重に投与。次にてんかん等の痙攣性疾患がある人は薬剤によって痙攣を起こす可能性あり。

妊娠している場合も基本使ってはいけない。特に妊娠初期(15週頃)までには使わないほうがいい。なぜ使ってはいけないのかというと動物実験で奇形が生まれたとの報告があるからです。ポララミン、クラリチン、ジルテック当たりがよく使われていて逆にアタラックス、セルテクトは禁忌になってます。
アレグラが効かない場合はどうすれば良い?
アレグラで効かなければ、アレロックもありますが、こちらは眠気が強くなります。ザイザルやタリオンをおすすめします。あと、点鼻薬もあるといいです。これはだいたいどれも効果は同じで眠気はないためお勧めです。目が痒いなら、点眼薬のリボスチンを使用もお勧めです。
しかし、点鼻も点眼もステロイドの副作用が出やすいため抗ヒスタミン薬をお勧めします。

眠くならない薬ってある?

・一番少ないのはアレグラとクラリチン。
・次に眠気が中程度アレジオン、エバステル、ザイザル、ジルテックと続きます。
ザイザルは眠気が中程度の中で一番効果が強いのでお勧めです。
・眠気大が効果もあるアレロックです。

・効果(高い順)
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アレロック
ザイザル、ジルテック
タリオン、アレジオン
アレグラ、クラリチン
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・眠気(強い順)
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アレロック、ジルテック
ザイザル、タリオン、アレジオン
アレグラ、クラリチン
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画像:運営者の花粉薬

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