私が実際に使い分けしている痛み止めの薬です。↑
疼痛看護とは?痛みの原因を把握し痛みを軽減すること
疼痛看護の基本は、看護師がすることはまずは痛みの原因を知ることが必要です。
むやみに痛みを訴えるからといって疼痛薬を服薬すれば良いよいうことではありません。腰などの痛みは主に整形外科の医者、頭の痛みであれば脳外科、痛む部位によって胸のしこりがあって押すと痛いということであれば乳腺科など痛む部位により原因は違いは当然のことながらあります。
そのため、看護師が痛む原因をしっかり把握し疼痛のアセスメントをしっかりに行うことで、適切な看護師としての対応や処置を行うことができます。また、治療をするのは医師のため看護師はしっかり患者の状態を客観的に伝えることが必要です。疼痛の看護の目的は、原因を把握し患者さんの疼痛を軽減すること目的となっています。
痛みを軽減するために痛みについて詳しく評価する
①フェイススケール
患者により痛みに対する感じ方は人それぞれ違いますのでフェイススケールを使用することで疼痛薬の効果を確認したり、患者の苦痛を客観的に評価でき、顔の表情で痛みの強度を評価する方法を用いてもいいでしょう。また、フェイススケールなど物を使用しないで評価する方法としては「痛みの強さを0〜10までに数値で評価する方法(ニュメリカルレーティングスケール)」もいいかと思います。この方法は「最初に痛みが5だとすると今の痛みはどのくらい?」などと患者に聞き、痛みが悪化しているのか、それとも改善しているのかの痛みの経過を知ることができます。この方法はどこでもできる上に便利です。
②問診票、問診
患者に痛みについて問診票などで書いてもらったり、問診中に話をしていてもいまいち程度が医師にはなかなか伝わりにくいためこの方法は非常に有効です。
雨が降る前の日に痛みが増す?天気痛とは?
天気によることが原因で痛むことを「天気痛」についてともいわれています。これは、気圧が低下すると交感神経が過敏に反応し痛みが増すことがあるのです。これは、整形外科で働く看護師であれば実感することも多いでしょうし、患者様自身も雨が降る前の日が痛がつよくなるので「私の膝の痛みは天気予報だ」という話も聞いたこともあるでしょうし、実際に疼痛薬の服薬が増えたりします。
外来の整形外科であれば患者数が増えたり、急に痛みだしたと訴えてくる患者も多いです。
痛みについては自身でコントロールすることが基本ですので、これによる対処方法としてはしっかりヘルニアなどの疑いがないかをレントゲンやエコー、MRIなどの検査、さらに血液検査が必要な場合もあるのでしっかり原因がわかった上で痛み止めの薬や痛み止めの注射をしていく必要があります。
ロキソニンとカロナールの違いは?
ロキソニン | カロナール | |
---|---|---|
成分 | ロキソプロフェンナトリウム | アセトアミノフェン |
効能 | 解熱・鎮痛 | 解熱・鎮痛 |
年齢 | 15歳以上 | 15歳以下の子供(乳児、幼児および小児) や妊婦比較的ゆるやかに効くため |
薬が効くまでにかかる時間 | 15分〜60分 | 15分〜60分 |
薬が効く持続時間 | 平均7時間 | 平均2〜6時間 |
半減期(効果が半分になるまでの時間) | 1.31時間 | 2.36時間 |
効果の比較 | 強い | やや弱い |
薬が効く持続時間 | 平均7時間 | 平均2〜6時間 |
身体への影響(副作用)は? | 多い | 少ない |
NSAIDs | ◯ | × |
インフルエンザ時の服用 | × | ◯ |
ロキソニン
・ロキソプロフェンが主成分。
・ロキソニンが効くまでにかかる時間は15分〜60分
・整形外科領域の手術後・外傷後疼痛に対するロキソニン(60mg)の鎮痛効果は15分後に19.8%、30分後に53.4%、60分後に72.4%の症例に認められています。
・抜歯後疼痛に対するロキソニン(120mg頓用)の鎮痛効果は15分以内に51.6%、30分以内には83.9%の症例に認められています。
・ロキソニンの効き目の持続時間は平均7時間
・ロキソニンを2回以上服用するときは4〜6時間はあけるようにしましょう
・個人差はあるものの、血中の濃度が最高値に達するまでの時間は0.79時間(約47分)で、血液中の成分が代謝されて半減するまでにかかる時間が1.31時間(約79分)となっています。
・2時間以内など、極端に短い時間に連続して飲み続けると体内に蓄積する恐れがありますが、屯用の場合も4時間以上あけていただければ基本的には問題ないと考えられるのと、1日3回の食後の服用は問題ないとされています。
・先ほどの通り、基本的には5〜7時間は効果が持続するお薬ですので、屯用(とんよう・とんぷく)として症状があるときのみ使うように処方されているときは、前回の服用後5〜7時間以上たって症状が再度でてきてから服用すると良いでしょう
・ロキソニンの一番の特徴は、消炎鎮痛剤で炎症を伴う痛みに効果を発揮することです。
・歯の痛みや整形外科系の神経痛にも良く効きます。
・抗インフルエンザ薬とロキソニンなどは併用禁忌
ロキソニンはなんで効くの?どんな仕組み・メカニズムで効くの?
体の中で発熱や痛みがあるときは、体内にもともと存在するプロスタグランジン(PG)という物質が患部で活動し、炎症や発熱を引き起こします。
ロキソニンの成分であるロキソプロフェンはこのプロスタグランジン(PG)が発生しにくくなる(生まれにくくなる)ように働くことで、結果的に発熱や痛みといった炎症が体内で起こりにくくします。
なぜ間隔を空けるかその理由は
胃腸障害を防ぐことができ、また薬物の半減期が6時間ほどなので、間隔を空けることで2回目の服用後も中毒域に達しないようにするためです。
カロナール
・アセトアミノフェンが主成分です。
・アセトアミノフェンが効くまでにかかる時間は15分〜60分、効き目の持続時間は2〜6時間
アセトアミノフェンの効果発現時間は臨床試験の結果として37.5%の方が「15分以内」に出現、68.8%の方が「30分以内」に出現、87.5%の方が「60分以内」となっています。
つまり、個人差はあるものの、15分前後で効き始める人が一定数いて、半数以上の方は30分程度で効果が出てくるということがわかります。
・カロナールは、ロキソニンと違い、幼児や小児、子どもに対しても処方されます。体重1kgあたり1回10〜15mg、1日総量60mg/kgを限度とし、成人の量を超えないこととされています。医師の指示を必ず守って、服用しましょう。
また、市販薬において、15歳未満でも服用できるものがあります。
・効果は2〜6時間ほど持続する(痛みなどが再発するのが2〜6時間後)とされています。
・アセトアミノフェンを2回以上服用するときは4〜6時間はあけるようにしましょう
・個人差はあるものの、血中の濃度が最高値に達するまでの時間は0.46時間(約28分)で、血液中の成分が代謝されて半減するまでにかかる時間が2.36時間(約142分)となっています。
・4時間以上あけていただければ基本的には問題ないと考えられるのと、1日3回の食後の服用は問題ないとされています。
ロキソニンとカロナールを同時に服薬してもよいか?
ダメです。
どちらも痛み止めのお薬ですが、同時に飲むというのはもちろん危険です。
ロキソニンが効かない!即効性のあるボルタレンって?
・ロキソニンより強いボルタレンよる服薬がすすめれます。それでも効かない場合は座薬を使用します。
*吸収速度の早い順
静脈内投与>直腸内投与>筋肉内投与>皮下投与>経口投与
ですので座薬は即効性があり一番早く効果でます。
・ボルタレンの主成分はジクロフェナク
・生理活性の違いもさることながら、副作用がジクロフェナクとロキソプロフェンでは大きく異なります。
・ボルタレンはロキソニンに比較して鎮痛効果が高いので、同様に副作用も大きいため使用する際には注意が必要です。
・経口、坐薬共に医師から処方された場合にのみ入手が可能です
・服用する際は潰瘍や出血防止のため胃腸薬との併用がすすめられる他、まれですが重篤な副作用の場合には急性穿孔などの症状も出るという場合もあります。
・坐薬により即効性が求められる場合には、体温が低下しすぎるなどのショックがまれに出現するケースがあり、医師の指導のもとで投与されることが勧められます。
・鎮痛剤によって喘息を引き起こす可能性がある場合にも注意が必要です。
・その他の副作用としては肝障害や発疹、腎機能の低下、心臓発作などがあげられますが、どれもまれに表れる副作用です。
・医療用麻薬じゃない鎮痛剤のなかでは、トップクラスの鎮痛効果があります。そのため、乳癌や小児の発熱など即効性が要求されるケースに用いられます。
・ロキソニンでは対応できない痛みの場合にも用いられ、ロキソニンなどの痛み止めが効かないという方という方の痛み止めです。
痛み止めの座薬はなぜ効くのか?
「痛み止めの飲み薬」では、胃や肝臓、腸などで消化されてから全身にいきわたるため全身にめぐるまでに薬効が変わってしまい効果が減少されてしまいます。
しかし、「痛み止めの座薬」は、直腸から心臓につなぐ通路があり、心臓から薬効が変わらないまま全身にいきわたるのでよく効きます。
なぜ座薬は即効性があるのに普及しないのか?
大変面倒で、お尻からいれないといけなく入れ方がわからない方が多いから。
最近では、市販薬として販売していなくて病院での処方が必要だから。