採血の方法と手順(マニュアル)
- 患者の腕を採血台や枕の上に載せ、針を刺す血管の上に約5~10cmのところに駆血帯を巻きます。(橈骨や手背でとる場合は前腕あたりで駆血する)
- 患者に手を握ったり開いたりしてもらうように伝えます。そして、針を刺す血管を探します。「手をぐーぱーぐぱーしてください」「親指を中にして手をぎゅーっと握ってください」などと声をかけ血管を怒張させます。
*血管を浮き出てこない場合は以下のコツを参考にしてみてください。 - (アルコールアレルギーではないか確かめる→ステリクロンなどの代わりの消毒液で消毒する)アルコール綿で針を刺す部分を消毒し、針を刺します。
- 針を刺す角度は、基本約10~20度で(好みによって角度つける)深く刺さないようにします。
- 針を刺した後は、患者に痛みやしびれがないかを聞きます。
- 血が出てくる(逆血)を確認したら、スピッツを用意し血液をひきます。 必要な量の血をひきましょう。
*シリンジ採血の場合は、溶血しないようにゆっくりひきます。
*血が少なすぎると検査が出来ず、血をとりすぎると患者の負担になります。 - 必要な量の採血が終わったらは駆血帯を外し、握っている指も緩めてもらいます。
- そして、アルコール綿で針が入っている部分を抑えながら針を抜きます。
*針はゆっくり抜くよりはスッと抜いたほうが痛くないです - そのままアルコール綿で押さえていてもらい、止血します。
- 「血がまだでてくるので押さえててください」と伝えます。
- この間にシリンジからスピッツにいれかえたり、針の始末をする。
- 止血を確認してカットバンを貼ります。(このカットバンは2、3時間ではがしてよいことを伝えます)
- 使用した針やアルコール綿など血がついた物や危険なモノは適切に処理します。後片付けもしっかり。
- 検査に出すスピッツは素早く検査室に提出します。
*「右か左かいつもどちらでとっていますか?」「腕を両方みえるように服の袖をまくってください」などといいます。
*「ちくっとしますよー」などと声をかけます。
「針を刺した時は痛かったですが、今はしびれなどはないですか?」
ものすごく痛がってたりと症状があった場合には、神経に触れているおそれや血管に上手く針が入っていないと痛かったり神経損傷のおそれがあるのでやり直す必要があります。
*高齢者であれば血をさらさらにする薬は飲んでなにですか?と声をかけどのくらい押させていればよいかの時間を調整します。
*スピッツによっては、血が固まってしまうと検査に出してもデータが出なかったり正しい値ではなかったりします。溶血した場合は正確な血液検査のデータがでないので、再採血になるおそれがありますので、検査科ある外来であれば会計がおわるまでに再採血できるようにします。