HANP(ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド)とは?
・HANPは、主として心臓の心房で合成・貯蔵され、血中に分泌されるホルモンです。
・利尿作用、血管弛緩、レニン・アルドステロン分泌抑制、循環血漿量減少など多彩な作用をを有し、生体の体液バランス血圧調節に関与すると考えられています。
・HANPは心房筋の伸展刺激により産生、分泌されるため、心房圧の上昇や体液量の増加をきたす疾患や病態で異常高値を示します。
・「ハンプ」と読みます。

心不全の注射薬「ハンプ」とは違います

第一三共が販売する心不全の薬の商品名で「ハンプ」というのものがあります。
この薬とHANP(ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド)というホルモンは違います。
心不全の注射薬「ハンプ」の画像です

基準値

・43 pg/mL以下

・透析患者の基準値:25~100pG/ml

採血する際の注意点

・溶血により低値傾向なるので溶血反応がでないか注意します。
・利尿剤など体液量に影響を及ぼす薬の服薬や、食塩摂取量などで検査値に影響を受けます
・トラジロール入り採血管を使用

健康であればBNP値は低いですが、心臓や体液バランスに問題があればではその重症度に伴い増加します。

HANP値が上昇する疾患

慢性心不全、慢性腎不全、本態性高血圧症、急性冠症候群、心房性不整脈、ネフローゼ症候群、肝硬変、妊娠高血圧症候群、甲状腺機能亢進症、原発性アルドステロン症、Cushing 症候群、SIADH、体液量増加、輸液過剰

HANP値が低値する疾患

体液量減少、甲状腺機能低下症、副腎不全、尿崩症、褐色細胞腫

HANPの採血管は紫色で採血量は2ml

・トラジロール(アプロチニン)入り
・抗凝固剤EDTA-2Na入り
・真空採血量2mL
・採血管はうす紫の血算
HANPの採血管は紫色

*HANPの略:human atrial natriuretic peptide