三方活栓の使い方
三方活栓は、点滴使用時に側管からの薬液も注入する時に三方活栓を使うことで大気に触れず薬を患者に投与することができます。
また新しく針を患者に刺すことも必要としないため、患者の負担を軽減することができます。
三方活栓使い方
三方活栓には, R型とL型があり, R型はハンドルが360°回転して3カ向同時にオープンできますが, L型は180°しかハンドルが回転せず,同時に2方向しかオープンにできません。.ハンドルにOffと書かれたの部分が長い1本羽のものと部分が長い3本羽のデザインがありますが,いずれも “仲間はずれの方向がOff(閉鎖)”になると覚えると覚えやすいです。
三方活栓、閉鎖式三方活栓の感染予防
三方活栓デメリットは感染の高さ
三方活栓は、便利なものの輸液ラインからの感染を高めてしまう原因となっています。
手術室など以外では使用すべきではないとされているほどです。
三方活栓による感染の実際
三方活栓による感染の実験内容
日本環境感染学会誌の文献まとめです。
中心静脈カテーテル留置に伴うカテーテル関連敗血症の重要な原因の一つに三方活栓です。非閉鎖式三方活栓を閉鎖式三方活栓に変更する事により細菌汚染の改善するかの実験でデータ。
集中治療室に入室した患者で, 中心静脈カテーテル留置開始後トリプルルーメンカテーテルを使用した症例のうち, 三方活栓を使用してから72時間以上経過した88症例436個の三方活栓を実験対象。
非閉鎖式三方活栓39症例169個, 閉鎖式三方活栓20症例123個ならびに閉鎖式 (死腔なし) 29症例144個の三方活栓を細菌培養して細菌検出されるか?菌の比較実験。
結果
非閉鎖式三方活栓11.8%の感染率!
であったのに対し, 閉鎖式三方活栓は0.7%の感染率!
と閉鎖式三方活栓が圧倒的に感染率は低いです。
閉鎖式三方活栓の感染性が低い原因は、外部への開放状態をなくすことで細菌侵入を防いでいることで、菌の増殖を低下させることが考えられています。しかし、閉鎖式でもを0.7%の感染があるため手洗いの励行を初めとする標準的な予防策の徹底や環境整備、そして三方活栓の消毒方法などにも感染のリスクがあると考えられます。
閉鎖式三方活栓
- 薬液の滞留をなくす構造エア抜き不要
- スリップもロックの注射器も、そのまま接続可能
- アルコール綿消毒が簡単
*チューブはPVCフリーだから薬剤による使い分けが必要ないものが一般的
院内感染の多くが薬剤投与や輸液時に発生
院内感染の多くが薬剤投与や輸液時に発生しています。
これは、輸液や薬を側管から注入する際に外気に触れることで汚染により起こる一般的な感染例が血流感染(BSI)です。血流感染は死の原因となることもあり、全身状態を悪
化させ、死にも至ります。
院内感染の閉鎖式輸液の実験内容
国際的な院内感染制御に関するコンソーシアム(INICC)はラテンアメリカ、アジア、アフリカ、ヨーロッパのICUにおいてBSIのサーベイランスを実施した結果、BSIによる死亡率は29.6%であった。ほとんどのBSIおよび発生リスクは、予防可能である。刷新的な医療製品の導入は、BSI予防において効果的な役割を果たす。例えば閉鎖式輸液システムはBSIを低減した実績があることから、患者の安全性向上と入院期間延長や治療費関連
のコスト削減の可能性がある。閉鎖式輸液システムでは、輸液は外部の空気に晒されないため、汚染・感染のリスクが大きく減少する。開放系システムから閉鎖系システムに切り替えた場合、BSIが低下することが研究によって示されている。メキシコでは80%以上、3アルゼンチンでは64%、4イタリアでは61%、5ブラジルでは55%、6BSIが低下した。アルゼンチンで実施された臨床研究によると、閉鎖式輸液システムを使
用し、患者へ輸液を投与した場合、BSI関連の死亡率は91%
減少されることを示した。7BSI率の減少により、ICU滞在期間の短縮化による医療費や、BSI治療に必要となる抗生剤や、その他薬剤の使用を削減で
きる。メキシコとブラジルで実施された研究では、BSI率減少が有意なコスト削減につながる事を示している。8, 9より高い診療報酬の設定によって、閉鎖式輸液システムの安全性が認識されるということは、既存の古い開放式システムから閉鎖式への変換を勇気づけるものである
。
日本での院内感染の閉鎖式輸液の現状
日本では数多くの症例に医療費が設定されているが、閉鎖式輸液システムの使用しても医療費は変わらないです。
安全性があり感染性が低い閉鎖式システムは開放式輸液システムと同じコストになっています。