足背の静脈の採血のポイント

採血を成功させるためには、採血に適した血管を選ぶことが重要なポイントであるといえるでしょう。しかし、採血に適した血管が見つからないという場合には、手背の静脈、あるいは足背の静脈を選ぶことが必要となります。
まずは、足背の静脈の採血を行う場合には、紫色に見えている血管を選ぶことがコツであるといえるでしょう。紫色に見えている血管は、非常に丈夫であることが多く、さらに弾力性があるかどうかも確認をする必要があります。
弾力性がない場合には、血管が逃げてしまい、失敗となってしまうことがありますので、注意をしましょう。
刺すときには、穿刺予定部位の1cmほど手前から、角度は、15~20℃に保ちながら穿刺することが必要です。

手背の静脈の採血のポイント

手背の静脈の採血のポイントですが、基本的に足背と同様に、前腕屈側の肘正中皮静脈に採血するのに適している血管が見つからなかった場合に、前腕の橈側皮静脈・前腕尺側皮静脈、前腕皮静脈を探しそれでも見つからなかった場合には、手背の静脈に採血をすることが必要です。足背と同様に、青紫色の血管が目で確認できるかどうかがポイントになります。太くて、さらに弾力性があるかどうかも重要なポイントで、弾力性がなければ、血管が逃げてしまって、失敗してしまうことに繋がりますので、注意が必要です。
駆血帯をして、深いところから浮かび上がってきた血管に、弾力性があれば、そちらを選ぶと良いでしょう。適切な角度で、迷わずに刺すことがコツです。

採血の優先順位

採血の際の優先順位ですが、まずは血管の太さ、そして弾力、そして進行方向であるといえるでしょう。安全で一発で取りやすい血管を選ぶことが第一条件であるといえます。
まず、第一に正中静脈を選ぶことが必要です。
ここは、多少細くても、弾力性があれば、入りやすい血管となります。
次に、橈骨静脈、尺骨静脈を選択します。やや神経が少ないので、優先されるべき静脈となるといえるでしょう。しかし、やや不安定になりますので、患者さんに角度や向きを変えてもらう必要があります。
肘部で入る血管が見つからないという場合には、手背の静脈を選ぶことになります。
血管は見つけやすいですが、痛みがあるのが特徴です。さらに、手背がなければ、前腕をチェックしましょう。

アームダウンのコツと理由

採血をする際に、採血管内の微生物が、血管内に混入してしまうことがあります。この微生物の混入を防ぐために、採血の際には、アームダウンをすることが必要であるといえるでしょう。採血の際には、こちらのアームダウンが必要であり、採血台を患者さんの肩の位置から10~15センチほど下げる必要があります。
上手なアームダウンのコツとして、このようにイスや枕の高さを変えることがコツであるといえるでしょう。
こうすることで、適度な高低差が出来、患者さんが無理にアームダウンをせずとも、適切に腕を下げることが出来ます。
しかし、患者さんの身長によっては、台、机の高さを調整しなければなりませんので、適切に調整できるように心がけておく必要があります。
適度な高低差が付けば、肘の下に枕を置くことで、さらにアームダウンがしっかりと行えます。しかし、この際に、その場所が低すぎると、肘の固定が難しくなりますので、注意をするようにしましょう。腕の太さ、形が人によって違いますので、その際には違和感がある場合もあります。その場合には、タオルなどで微調整をする必要があります。