12誘導心電図の正しい貼り方
心電図とは?
心電図とは心臓の電気的刺激を図に表したものです。
そして心臓の電位を記録するために、電極を心臓を囲うように皮膚に貼り測定します。
心電図には,標準12誘導心電図とモニター心電図(3点誘導の心電図)があります。
12誘導心電図の測定方法
・正しい心電図をとるため、動いたり激しい呼吸で筋電図の影響与えるため動いてないときに行います。
・心臓の電気のフレは、些細なことで変化します。そのためリラックスした状態で行います。
・測定する際には看護師は「楽に深呼吸しててください」「足や手を動かなようにしてください」などと声をかけ波形が落ち着いてたら測定をします。
電極の種類
- シール型
- 吸盤型
- ハサミ式
の3種類あります
ノイズがでやすいのでノイズを防ぐために、電極付ける前には電極の装着部をアルコール綿などで拭きます。そのあと、吸盤型、ハサミ式はペーストつけます。シール型は粘着シールなのでペーストはつけません。
胸部電極の貼り方
胸部には6か所の電極は装着します。
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12誘導心電図の貼り方のコツは?
V1(赤):第4肋間胸骨右縁=V1はだいたい、乳頭の高さで胸骨右
V2(黄):第4肋間胸骨左縁=V2もだいたい、乳頭の高さで胸骨左
V3(緑):V2とV4の接合線の中点=V2とV4の間
V4(茶):左鎖骨中線と第5肋間の交点=V4とV6の間
V5(黒):V4の高さの水平線と前腋窩線との交点=乳首下あたり
V6(紫):V4の高さの水平線と中腋窩線との交点=第5肋間の位置で腋窩の真ん中
付ける位置は骨と骨の間の肋間です。
第4肋間がどこかわからない?
第1肋骨と第2肋骨の区別が難しいので、まず胸骨角から第2肋骨を探すやり方をする看護師が多いです。しかし、この胸骨角はじめはわかないことが多いです。実は、この胸骨角がどこか分かりやすくなるポイントがあります。鎖骨と鎖骨と胸骨角の間は明らかに骨がなくへこんでいます。ここから指でさわり、ポコっとしたところが胸骨角です。
胸骨角のすぐ横が第2肋骨です。
そして胸骨角のくぼみが第2肋間です。
これで第2肋骨からスタートのカウントできるようになるかと思います。
「2、3、4…っと」
その4番目が第4肋骨です。
その骨の下のへこみが第4肋間です。
第4肋間が見つかったら左右の胸骨の所に赤(V1)と黄(V2)を貼っていくと分かりやすいです。
女性の場合
乳首の位置を基準にしない
乳首の位置は人によって異なり、外側にあったりします。男性と女性ともにこの電極を配置する際に基準点として乳首の位置を基準に使用しないでください。
12誘導心電図の貼り方の覚え方
あ(赤)き(黄)りょく(緑)ちゃ(茶)く(黒)む(紫)
あ(赤)き(黄)み(緑)ちゃ(茶)く(黒)む(紫)
「あきみちゃくむ」と覚えてる方もいますね。
ゴロがいいので覚えやすいです!
四肢電極
左右の手足の4か所に電極をつけます。
覚え方
右手→左手→右足→左足と順番に付けていきます。
“あ(赤)き(黄)よし、く(黒)み(緑)こ”
・右手は赤
・左手は黄
・右足は黒
・左足は緑(右足の黒はアースの電極)
心電図の基本
なぜ足首や手首電極を装着するのか?
・筋肉の上に付けると筋電図が入りやすいので、足首や手首に装着する
なぜ足首や手首電極の内側に装着するのか?
・電極側は内側にするのが基本
なぜ心電図が測れるのか?黒がアースっていうけどそれで感電を防いでる?
・心電図では電源に接続し一定の電位があるため基準の電位をとれる。
・この基準の電位Voと体(心臓の筋肉)の電位の差で心電図を測定することができる。家電のアースは大地にとり漏電したときにアース線から外に電気を流し感電を防ぐためにものである)
ホルター心電図
ホルター心電図は24時間にわたり日常生活の心電図が記録できるので、不整脈や狭心症の発作時の心電図をとらえることができ、診断に役立ちます。
心電図の異常は?不正脈の心電図とは?その他特徴のある12誘導心電図の波形の読み方は?
1、洞性不整脈
2、上室期外収縮
3、心室期外収縮
4、心房細動
5、心房粗動
6、心房頻拍
7、心室細動
8、心室頻拍
9、房室ブロック Ⅱ度・Ⅲ度
10、房室ブロック ウェンケバッハ型
11、洞不全症候群
12、脚ブロック
13、狭心症
14、急性心筋梗塞
15、高カリウム血症
16、ペースメーカ
vpc心電図とは?
PVC(premature ventricular contraction=VPC)
心室性期外収縮のこと。
・「先行するP波がない」
・「QRS波の早期に出現」
・「幅広いQRS波)」
本来なら心房が収縮(P波)してから心室が収縮(QRS波)します。
だが、VPCの場合、
「心房の収縮とは関係なく心室が収縮する」ために、
P波と無関係にQRS波が出現しているのです。
広幅のQRSは
「何らかの原因によって、心室全体が収縮するまで(心室全体に電気信号が行き渡るまで)に時間がかかるため
ペースメーカの心電図
①VVIペースメーカ
・ペースペーカーの刺激に対して心臓が反応して、ペーシングスパイクでる。このペーシングスパイクの直後に幅の広いQRS波がみとめられる
②DDDペースメーカ
・ペースメーカのペーシングスパイクが2本見られる
・心房のスパイクのあとにP波があり、心室のスパイクのあとに幅の広いQRS波がみとめられる
*動画バージョンになります。