胃管(マーゲンチューブ)の目的

・消化管(特に胃)の減圧
・排液の性状確認経鼻胃管は、その名の通り鼻から胃にかけて挿入される管のことをいいます。
が主な目的です。

胃管(マーゲンチューブ)の種類

マーゲンチューブ、ストマックチューブ、NGチューブ、STチューブ、胃チューブ、マーゲンゾンデ(ドイツ語)、胃管とも呼ばれます。
製品名で呼ばれることもあるので働く施設にあるものはしっかり把握しておきましょう。
また、医者の好みなどで、硬いからこれの種類の胃管がいいという場合もあります。
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適応

・腸閉塞(イレウス)
・上部消化管出血


チューブの種類と構造

・単孔式胃管チューブ
・サンプ式(2腔型)胃管チューブ

挿入経路

・鼻腔から胃に挿入

テープの固定方法

・鼻翼
・頬
・鼻下

予想される合併症

・気道誤挿入
・鼻出血
・咽頭違和感
・副鼻腔炎
・誤嚥
・鼻翼潰瘍
・誤嚥性肺炎

体位

・臥位
・座位

チューブの種類

・サンプ式(排水ができる)チューブ使用する

セイラムサンプチューブ 胃食道用チューブ コヴィデン
サフィード胃管カテーテル(二重管タイプ) テルモ株式会社
ゼオンENカテーテルE ゼオンメディカル

*会社によって名前があり、「胃管は?」とかではなく商品名で「ゼオンチューブ入れて」とかよばれてたりします。

胃管を挿入する時に顎をあげた方が入りやすいのはなぜか?

顎を挙げると口から喉頭部まで直線になって、咽頭部を通過しやすく、挿入しやすいためです。
挿管する際や気道確保する際と同じような人間の構造上です。

挿入手順

1 患者に説明し、声がけしながら挿入する
2 臥位または座位でになってもらう
3 表面麻酔剤(キシロカインゼリー)をチューブの先端につける
4 胃にどのくらいか挿入するか決めてから、鼻腔より鼻腔底部に沿わせながら挿入する
5 鼻腔を通過し、咽頭まできたら唾液を飲んでもらうタイミングでチューブを挿入していく
6 咽頭を通過時は吐気やムセのような症状がでることが多いので、患者に無理させないようにタイミングをあわせながら挿入する
7 45〜55cmほどすすめ、胃内に留置する
8 経鼻胃管が胃に留置されたか確認する
①留置後、シリンジ吸引すると胃液が吸引される
②空気をシリンジで約10cc注入すると、気泡音が胸部ではなく上腹部で聞こえる
(聞こえづらい場合は聴診器で聴く)
③レントゲン撮影(X線)にて確認
*胃管はX線入りなので確認できる
9 チューブを鼻翼、鼻梁部にテープで固定する

*鼻腔どちらかから挿入するかは決まりはない(左右で鼻腔の構造が違うので入りやすいさが違う)
*固定テープにより、皮膚が肌荒れし、潰瘍をつくることがあるので皮膚保護剤を塗るなど貼り方を工夫するなどする

挿入後の管理

・排液の性状・色・量、患者の状態やバイタルなどを確認する
・自己抜去がおこらないように配慮する
・歩ける患者の場合、チューブの抜去がないようにチューブ・チューブバックの位置に注意するように説明や管理をする
・体動時や体位変換時にチューブが抜去されないように配慮する
・胃管留置中、口腔内の自浄作用の低下や喀たん困難、チューブ挿入中により口腔内の清潔は保ちにくい。また、高齢者や意識障害者では誤嚥性肺炎が生じやすいため、口腔内の清潔を保つように管理する
・留置目的や留置期間など医師に確認し把握しておく
・術中の胃管挿入では、術中に挿入、抜去することも多い。一時的になためバックなど用いずにディスポの手袋などで代用することも多いが清潔に管理する。
申し送り、受けをしっかり行えるように記録にも記入する。

物品

・胃管、シリンジ、キシロカインゼリー、固定用テープ、膿盆、排液バッグ、処置シーツ、聴診器