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目的

・手術の傷を閉じた後に貯まってくる浸出液・リンパ液・血液などを体外へ排液するためのもの
・乳癌術後で、乳腺や腋の下のリンパ節を切除した後の空洞にリンパ液などが貯溜しやすいための排液するため。
・排液により、皮膚が下の筋肉などと密着できるようになり、傷の治りを早くすることができる。
・術後出血が起こることを考え挿入する
・手術により切除した部分が死腔となり、そこに浸出液や血液が貯留しやすい。
そのためドレーンを挿入する。

・乳がんの合併症として以下があげられるが、特に、術後出血や感染した場合の確認するためのドレーンを挿入する
・術後出血
・感染
・疼痛
・リンパ浮腫
・知覚浮腫
・上肢の拳上障害
などがあります。

適応

・腋下リンパ節郭清と乳房全摘手術の両方施工した場合はドレーンはそれぞれ挿入する必要があるため2本挿入する

ドレーン・バックの種類

閉鎖式陰圧バックのあるドレーンを挿入する
1、J-Vacドレーン
2、SBバックドレーン
3、リリアバック

ドレーン挿入部位とその経路

①腋下リンパ節郭清:腋窩静脈付近
②乳房全摘手術:大胸筋の全面
③乳房温存術:腋窩静脈付近

抜去時期

・死腔をつくらないためのドレーンであるため、1日の排液量が少なくなったたら抜去する(30〜50ml/日:平均術後4〜5日目)
・排液量が1日20ml以下に減少すると抜去する
・長期間の留置により、創感染をきたす可能性があるため、排液があっても1〜2週間で抜去する。(抜去後に排液がたまる場合は適宜、穿刺する)

排液の性状は?

・術直後は血性〜淡血性で次第に血性分離がみられる
・術翌日くらいから、淡血性となり、次第に淡黄色の漿液性となる
・明らかに濃い血性の排液が急激に出る場合(50ml以上/時)は、術後出血が起きていることを示すことを性状・量の観察が大切である。
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大阪大学医学部付属病院 臨床検査化学部門より画像引用しました。

ドレーンの管理のポイント

・陰圧をかけることが重要なため、容器内のバルーンがしっかり膨らんでいるかを確認する。と同時にエアリークの有無を確認する。
・色(性状)、排液量、抜去の可能性、固定テープがしっかりはられているかどうか確認する
・挿入部の状態(発赤・腫脹・剥離)がないか、感染やスキントラブルがないかを確認する
・ドレーンの閉塞の確認
血液がかたまり、ドレーン内腔がつまったり、ドレーンが屈曲やねじれたりすると排液されなくなるため適宜ミルキングを行う
・術後出血の徴候
急激な血性排液の増加、全く出血されない場合は創部が出血で腫脹がないかそうか確認する。
・排液が悪いと手術創の感染を起こし、皮膚の壊死や瘢痕の原因になるため排液がしっかりされない理由をさがす
・手術創は圧迫固定する。
・ガーゼ交換時、ガーゼを剥がす場合は皮膚の損傷に十分注意する

*ミルキングのコツ(ちなみに脳下ではミルキングは禁忌)
・ドレーン穿刺部近位を圧迫し遮断させて、片方の親指と人さし指でドレーンを挟み排液バック側へつまりの原因動かす。このとき酒精綿を使用するとスムーズに手でミルキングを行える。
・ミルキングローラーを使用する施設もあるが、過度な圧迫になりやすくドレーンの劣化や損傷が起こるため使用するところや人も減っている

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