しんのう

新潟県立がんセンター新潟病院では22年間で113例のがん性心タンポナーデ
症例が心膜ドレナージを施行している。

私自身が興味深いものを抜粋しまとめた。
元のレポートとは本意はことなることはご了承いただきたい。

・心膜穿刺で数ヶ月の延命ができた。心膜穿刺後の生存期間は
胃がん食道がんでもっとも短く,血液がんがもっとも長かった。肺がんと乳がんはその中間で心膜穿刺後の予後は中央値で3-4ヶ月だった。

・性別では肺がんは男性が多く,乳がんは全部女性だった。

・抗がん剤の心嚢投与
硬化療法とも呼ばれる。心嚢液の再貯留を予防す
るために,心嚢に薬物を注入し癒着により心嚢腔の
スペースを消す。硬化療法が心膜ドレナージより優
れているというエビデンスはない。

・肺がんでは,心膜穿刺後に化学療法を行った群と行わな
かった群との比較化学療法が施行できたケースでは,生
存中央値が半年を越えるのに対し,できなかった症
例では1ヶ月弱差がでた。

・がんと診断されてから,心タンポナーデを発症
するまでの時間がんと診断されて1年もたたずに心タンポナーデ
を発症する肺がんに対して,乳がんは5年ほど経って発症と長い。

・113例中108例(96%)で血性心嚢液

・113例中101例(89%)で96時間までドレーンを留置

・心膜ドレナージ(心囊穿刺)は,症状を緩和し,数か月の延命
効果がある。

・肺がんの心タンポナーデでは,効果が高く化学療法が導入された群
で,さらに数か月の延命効果を認めた。

・従来その場しのぎ的処置と思われていた心膜ドレナージは,
化学療法の発達のともに効果が期待できるようになった。

*坂口裕太,高山亜美,大倉裕二 癌性心タンポナーデ
に対し心嚢ドレナージを施行した28症例の検討 第63回
日本心臓病学会学術集会 抄録集 2015
*新潟県立がんセンター新潟病院 内科(循環器内科)がん性心タンポナーデ 心膜ドレナージからさらに生存期間が延長