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ヨードアレルギーとは?

造影剤を使用する検査前には、必ずヨードアレルギーではないか聞く必要があります。なぜかというと、ニュースでも話題になるアナフィラキシーショックにより最悪死ぬおそれがあるからです。

何度か検査されている方で、「一度もアレルギー反応がない」ということであれば問題はあまりありません。(稀に以前は大丈夫でも今回は発症するおそれはあります)

なので、以前体調が悪くなったとかいうことであれば担当医に相談してからまたは検査を決める段階で確認しやるかやらないかは医師の指示のもとでやる必要があります。

「ヨードアレルギーはないですか?」といってもあまりピンとこない方もいるので「昆布とか海藻類を食べても気分がわるくなったことはないか?」と聞いた方がわかりやすいかもしれません。

ヨード剤含む造影剤の検査とは?

造影剤は静脈注射で体内に入ります。造影剤を投入するとポカポカと身体が暖かくなりますが心配はないです。たまに、暑さを感じることがありますが不快感がなければ問題ないです。造影剤は排尿として外に排出されますので体内には残りません。なるべく排出を促すように検査後は水分を多めにとります。検査時間は大体20分前後で終わります。
検査後は副作用に注意し、普段通り仕事や生活して大丈夫です。しかし、激しい運動は避けたほうがよいです。

検査まで同行する看護師にアドバイス

18Gでサーフロでルートを確保

外来検査や病棟からの検査がありますが、点滴はあらかじめとります。造影剤ですので18Gでサーフロでルートを確保します。この際の固定はしっかりテープでします。アナフィラキシーショックを考えて三方活栓を間でとりつけておきます。

アナフィラキシーショック様症状出現に気をつける

検査前にヨードアレルギーではないかを確認することはもちろんですが、アナフィラキシーショック様症状にならないか患者を観察することも大事です。無事検査が終わってからでも気分不快を確認し、自宅に帰ってからでもなにかあったら病院に連絡することを忘れずに伝えます。

ヨードアレルギーがある方が注意すること

①ヨード(ヨウ素)を含むものを制限する必要があります。

・ヨウ素(ヨード)が含む昆布や海藻類
・冷凍食品やカップ麺類などの加工食品には、昆布や海藻(昆布エキス・海藻エキス)が入っている商品が多々あります。
・ ヨウ素が多く含まれると考えられる調味料であるだし入り味噌、だし入りしょうゆ、だし入りソース、すし酢、ドレッシング類(含まれていないものもあります。原材料をご確認ください)複合調味料、合わせ調味料

ヨードを含むうがい薬も使うことができません。
あの”カバ”のキャラクターがかかれているのは有名ですね。
病院で処方される場合は医師にヨードアレルギーがあることを話す必要があります。

イソジン消毒(ポピヨード)での消毒

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ヨード剤含む造影剤の使用

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これが、直接血管にはいるので皮膚への消毒での大丈夫でもダメな場合があります。

ヨウ素とは「ヨード」のことでミネラル栄養素

ヨウ素とは「ヨード」のことです。体内ではほとんどが甲状腺内に存在しています。
甲状腺ホルモンの成分であり、ヨウ素は人体に存在する70%~80%が甲状腺ホルモンをつくっています
慢性的にヨウ素不足になるとと甲状腺刺激ホルモンの分泌が亢進し、甲状腺機能が低下してしまいます。新陳代謝が悪くなったり、体力低下、成長障害、精神発達の遅れなど生じます。
妊娠中にも必要な栄養素で妊婦さんは意識して食事の中で栄養をとることがすすめられています。ヨウ素を意識して栄養をとることは少ないのですが人間の体には必要な栄養素なのです。

すぐには、検査結果はでないことも多いですが(画像化に時間がかかるため)少し休んでから病院を出て行く必要もあります。

ヨードを制限する必要がある場合

ヨードアレルギーのある方はもちろん制限する必要があります。
しかし、ヨードアレルギーではなくてもヨードを制限を必要する場合があります。
それは、アイソトープ(放射線ヨウ素)検査・治療の場合です。
ヨウ素が甲状腺に集まるという特性を利用して行うため、検査・治療を受ける患者様については、1~2週間ほど前からヨードを制限をします。

ヨード造影剤に対するアナフィラキシーショック症状と副作用

アナフィラキシーショックがなんで怖いかというと重度の場合は死ぬからです。
現に毎年何人かヨード造影剤に対するアナフィラキシーショックで命を落としているのです。
ですので、できるだけ初期症状で気づき適切な対応することが重要なのです。

即時性副作用(検査中や直後)

どのくらいの頻度で副作用がでるのか?
  • 蕁麻疹・気分不快・かゆみ・発疹などの軽い副作用 100 人に数人
  • 血圧低下・呼吸困難・意識障害などの重い副作用 1 万人に数人
  • ショックまれに心停止などの重篤な副作用 数十万人に 1 人

最悪死亡に至ります。

①皮膚の症状

もっとも多いのは、じんましん、潮紅、かゆみなど

②呼吸器の症状

くしゃみ、咳嗽、嗄声、息苦しさなど

③粘膜の症状

顔面浮腫、目のかゆみやむくみ、くちびるの腫れなど

④消化器の症状

そして腹痛、悪心、嘔吐など

⑤循環器の症状

動悸、血圧低下など「循環器の症状」もみられます。
*①〜⑤の順番で症状は現れ、全身の症状がでてきます

遅発性副作用

造影剤による副作用は大部分が検査中または検査終了直後におこります。当日は、大丈夫でも(アレルギー反応はなくても)次の日など検査が終わって数時間から数日後にアレルギー症状がでることもしっておく必要があります。検査自体は、入院の必要はないので何かあれば病院に連絡するようにする必要があります。

重篤なアナフィラキシーショック症状になる場合

これらの症状が複数の臓器にわたり全身性に急速にあらわれるのが、アナフィラキシーショックの場合です。
特に、急激な血圧低下意識を失うなどの「ショック症状」も1割症状として現れるとされ重篤な症状で死に至ることもありますので、看護師はその急変の対応もしっかりしないといけません。

アナフィラキシーショック(急変)での看護師の対応方法、薬の使い分け