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手術前の消毒や、カテーテル挿入全般、透析や献血などのときには、イソジン消毒を行うことが多いでしょう。
イソジンは、そもそも殺菌・消毒力に優れたポビドンヨードを配合された消毒薬です。元は、ヨウ素をエタノールに溶かしたヨードチンキでしたが、50%以上のエタノールを含むため傷口に使用すると刺激性が強くしみやすいといった欠点がありました。そこで、できたのがポビドンヨード(イソジン)です。
特徴
- グラム陽性菌、グラム陰性菌、結核菌のほか、真菌や一部のウイルスにも有効です。
- 消毒効果に持続性があるため、主に手術部位の消毒に使用されます。エタノール消毒では30分程度です。
- 刺激性が弱く、通常の皮膚だけでなく粘膜部位や創傷部位にも使用されます。
- 消毒後色が残るため、気になる場合はチオ硫酸ナトリウムを含むハイポエタノールやハイポ水で脱色します
*もし、自宅でイソジンを消したい場合は石鹸ではなかなか消えないです。
チオ硫酸ナトリウムを含む、ハイポも薬局でかえますが高価です。それで、安価なチオ硫酸ナトリウムを含むコンタクトレンズの洗浄保存液や金魚のカルキ抜きなどに使用するものでも代用できます。コンタクトレンズの洗浄保存液は、主成分がいろいろあるので成分表をみてから使用してください。
amazonでハイポと検索したら、チオ硫酸ナトリウム、ヨード脱色剤(10%ハイポアルコール)、カルキ抜きなどがヒットしました。買おうとすれば、ネットや薬局で手に入りますね。
イソジン消毒が適用にならない例
- ヨウ素に対し過敏症のある人(ヨードアレルギー)には使用できない
- 消毒薬は人の細胞に刺激し、かえって、傷の治りを悪くするおそれがある場合
- 器具に対しては、腐食性があり、茶色に着色するため使用できない
イソジンの効果は高くて有名ですが、使用の際には注意して消毒しないとまったく意味のない消毒になりかねません。
使用際の注意ポイントは3つ!
①イソジン焼けを防ぐこと
②イソジンは乾燥させないと効果がでないこと
③イソジン消毒の部位のたんぱく質の汚れがないこと
です。
具体的な対策
①イソジン焼けを防ぐこと
・量に注意する
・消毒する際はその消毒部の下にオムツなどをしく
・消毒部以外にイソジンがたまらないようにタオルやシーツで覆う
*しかし、医者はイソジン液の量が少ないと足してと言われます。
医者が消毒を適当にしたり、少なめで消毒するような場面はみたことがないくらいです。十分足りてそうでも「先生そのくらいでおねがいします」なんて言ったことはないです。
オペ室の床にも多少、消毒が飛び散ってもいいようにシーツをひいているんですが医者によってはその範囲を大きくこえたりしますが文句もいわないですしね。
外回りになったら、ハイポアルコールをもって術中暇をみつけて掃除したりしてます。イソジンの色素沈着って手術室を汚くみせてしまうんですよね…
消毒なのできれいなものの沈着なんですが….
②イソジンは乾燥させないと効果がでないこと
乾燥にかかる時間は30〜60秒もしくは、 1〜2分を要します。エタノールと比べる乾燥に時間がかかります。しかし、 十分な時間作用させないと消毒効果が期待されません。いくら、消毒効果が高いからといって使い方を守らないのでは意味がありません。
*また、イソジン消毒したあとは色素沈着し茶色になります。
処置後に、きれいにイソジンを消すことも看護師の役割ですので気をつけましょう。患者はもちろんのこと、手術後で家族が待っていて最初にあったときにイソジンで汚れていては手術室で何があったのかと思ってしまいます。
もしかしたら、汚れもきれいにとってくれないまま手術室からでてきたという印象になってしまいます。
もしくは、帰室先であるICUなどにも迷惑がかかってしまいます。
③イソジン消毒の部位のたんぱく質の汚れがないこと
イソジンは有機物によって殺菌力が大きく低下するため, 事前にアルコール消毒によって皮膚の脂や血液などタンパク質の汚れを取り除いておくことが重要です。毛もたんぱく質ですので毛深い人のイソジン消毒の前に洗浄したりします。
もしくは、アルコールで拭いたりします。血液培などでも、アルコールで消毒してイソジンで消毒している場合の理由もこれです。せっかく、消毒効果の高いイソジンを使用するのに、たんぱく質が残っていては効果減になってしまいます。
以上です。
添加物としてグリセリン、クエン酸水和物、リン酸水素2Na、ラウロマクロゴール、pH調整剤を含有する。
本品は暗赤褐色の液で,わずかに特異なにおいがある。
本品自体は暗赤褐色の粉末で、わずかな匂いがある[1]。通常、10%程度の水溶液にし、外用消毒薬として用いる。液剤は黒褐色であり、ヨウ素の特異な匂いと味がする[2]。
ポビドンヨードの殺菌作用はヨウ素の酸化作用によるため、塗布後30〜60秒の経過で最も殺菌力が強くなる。
日本では古くから用いられてきた消毒剤として一定の評価を得ており、特にその持続効果は他の消毒剤と比較して高い。そのため、手術前の皮膚消毒や術野の消毒といった分野で使用されることが多い。
通常、芽胞菌に対して有効性をもつ消毒剤は人体毒性も高いが、ポビドンヨードは人体毒性が低いにも関わらず、一部の芽胞菌に対しても有効性を発揮するため、院内感染に対して有効な消毒剤として注目されている。なお、ポビドンヨードは衣服等に着色すると落ちにくいため、色消し用の消毒剤としてハイポアルコール(チオ硫酸ナトリウムのエタノール溶液)が用いられる。
うがい薬として有名なイソジンガーグル以外にも、スクラブ剤(手指消毒剤)、ゲル化剤(塗布剤)、ゲルチューブ剤(塗布用)、水溶液剤、フィールド剤(アルコール製剤)、ポビドンヨード含浸綿製品、ソフトコンタクトの洗浄など、幅広く商品が展開されており、使用頻度の高さが窺える。
(3)石けん……[ゲル,スクラブ液,液,フィールド]石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので,石けん分を洗い落としてから使用してください。
(4)その他……
[イソジンゲル,スクラブ液,液]
・妊婦での安全性:原則として長期にわたる広範囲の使用をしない。
・授乳婦での安全性:原則として長期にわたる広範囲の使用をしない。「薬の知識」共通事項のみかた
重大な副作用
①ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,不快感,むくみ,潮紅,じん麻疹など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。