急変対応もイメージできる!?
kyuhen

よくない書き方

5月12日
18:00 部屋訪室し、声をかけると返答はなかった。意識レベルⅢ-300、自発呼吸なし、右頸動脈触知できず、応援を呼び、心臓マッサージを開始  看護師D

18:04 医師2名訪室、バッグバルグマスク開始。モニター装着。自動血圧計装着。                   看護師D

18:05 除細動実施。実施後心臓マッサージ継続。点滴ルートを確保。ヴィーン開始。B医師気管内挿管実施。挿管チューブ8Fr、20cmで固定。バッグバルグマスクによる人口呼吸継続。                     看護師D

18:08 DC実施。モニターHR30台、血圧50台   看護師D

18:10 家族に連絡。C医師ボスミン1A静注。   看護師D

18:20 ドパミン開始。        看護師D

18:30 意識レベルⅢー300    看護師D

18:40 集中治療室に転出     看護師D

18:45 家族が来院        看護師D

ーICUでの経過記録ー

19:00 主治医から家族に現在の状況を説明した。   看護師D
NS76

よい書き方

5月12日
12:00 「明日、退院で、元気よく帰れそうだわ」
退院後の生活について、注意点を説明すると「甘いものは食べすぎないでとか、薬を忘れずに飲まないといけないとかは大事なことなんだけど、ついわすれてしまうことがたまにあるのよね」と話される。帰院の準備を自らしている。 看護師D

14:50  トイレから出てきたところで「歩いてると、傷口は痛みませんか」と声をかけると「まだ痛むけど、大丈夫よ」と話される。といい自室まで戻られる。看護師D

18:00  容態観察のため訪室し、「Kさん変わりはないですか」と声をかけたが返答せず。バイタルサインを確認したが、意識がなく、鎖骨部分が叩いたり拳で胸骨を刺激したが反応がなかったため緊急呼び出しボタンをおし応援を呼んだ。
自発呼吸なし、左右頸動脈は触知できなかったため、心臓マッサージを実施した。 看護師D

18:05 主治医S,救急医Wに、5分前に訪室したところ、意識がなく、頸動脈が触れず、自発呼吸がない状態を発見したことを報告した。D看護師が、口腔内を確認しバッグバルグマスクによる人口呼吸を開始した。D看護師は心電図のモニター・自動血圧計、SATを装着した。血圧と酸素飽和度は測定できず、心電図モニター上不規則な波形がみられた。   看護師D

18:08 主治医S動脈血採血実施。 D看護師22Gサーフローで血管確保し、ヴィーンF500mlを45ml/時で開始した。 看護師D

18:10 主治医Sは、〇〇JJ×1回除細動実施、実施後モニター上不規則な波形がみられた。S医師は心臓マッサージを継続を実施した。 看護師D

18:12 W医師気管挿管実施、気管チューブ8.0mm、右口角20cmで固定し、D看護師がバッグバルグマスクを接続し人口呼吸を継続した。O2 10l投与開始。 看護師D

18:15 主治医Sは、〇〇JJ×1回除細動実施。モニター上HR30〜40台、モニター波形でAfがみられた。BP45/30mmHg,SPO2 99% 看護師D

18:17 W医師ボスミン1A静注。D看護師は、自宅に電話して、妻に「何時ころ〇〇さんの状態が急に悪くなり、現在対応していますが、詳しい病状説明と、今後の対応について相談したいので至急病院にきてください。」と連絡した。 看護師D

18:20 S医師の指示でカタボンLow注200mg200mlを20ml/時で開始した。モニタ上HR30-40台で経過している 看護師D

18:23 血圧64/34mmHg,HR45回/分、S医師からカタボンLow200ml 25ml/時へ変更の指示がり変更 看護師D

18:28 血圧65/36mmHg,HR46回/分、SPO2 100% 看護師D

18:35 血圧68/38mmHg,HR48回/分、SPO2 100%,呼名反応なし、瞳孔  mm散大、左右差なし、瞳孔反射なし 看護師D

18:40 S医師がバッグバルグマスクで人口呼吸を実施し、ICUへ移動した。移動中、HR50回台/分、SPO2 100% 看護師D

18:45 妻が来院。ICUへ移動したこと、患者への面会や、医師からの説明は、ICUにて行うことを説明しICUへ案内する 看護師D

ーICUでの経過記録ー

18:50 ICUへ入室。血圧68/38mmHg,HR48回/分、SPO2 100%,呼名・痛覚反応なし
     意識レベルⅢー300、瞳孔  mm散大、左右差なし、瞳孔反射なし.
ヴィーンF500mlを45ml/時で開始した。カタボンLow200ml 20ml/時、 W医師硫酸ボスミン1A静注。 看護師D

18:55 S医師から妻に、病状と今後の対応について説明した。説明内容は、医師経過記録参照、説明後は「気持ちの整理がつかないが、よろしくおねがいします。」と話される。
救急医W、 A看護部長、D看護師同席 看護師D

ポイント

・ボスミンは商品名で薬品名は「エピネフリン」
*アドレナリンのことです。「アドレナリン」の薬品名も「エピネフリン」ですので、薬品カートをみて、使用しましょう。
* アドレナリン、ボスミン=エピネフリン

・主治医以外の医師に応援をお願いしたい場合は、患者の「名前」「疾患名」「患者の状態」「急変時の対応」を含め報告するようにする
・ドパミンとは、イノバンやカコージン、カタボン、などが商品名であるドパミン塩酸塩である。
・ドパミンは救急カートに必ずいれてあるもので、心停止した際に使われることが多いのです。 現在では、ドパミンよりノルアドの方が不整脈が発生しなく優位であるという発表もありますが、ここではドパミンを使用する場合で説明します。
・カタボンは「Hi」と「low」があるので注意する。
・点滴をするときは「商品名」「mg」「ml」「刺入部」「刺入者」を記入する
・血圧は「〜台」とは看護記録には書かない。口頭などで、血圧が下がってきたときに「血圧〜台です」と声をかけたりしますが…
・除細動を使用した際は、「電圧」「使用者」を記入すること
・点滴、静注指示をする
・点滴を増量、速度変更した際は指示医師も記入する
・モニターの波形は、印刷し、カルテに添付する
・緊急時の場合は、なにが起こるかわからないため、血圧などのバイタルを5分おきに記入すると流れがわかりやすくなる。
・心配蘇生時、場所を移動することがあるがその時間、場所を記入する。
この場合はICUに移動し、ICUでの看護となり看護記録の記録者も変わる。
そのため、引き継ぎ(申し送り)をスムーズに行う。(使用が予想されそうな場合はあらかじめ急変時に連絡し、連携をとるようにする)
・医師が説明した内容は看護記録には書かない。看護師が説明した内容だけを看護師が書く。重要な説明であるため表現の違いによる誤差を防ぐためである。
・気管内挿管ではなく「気管挿管」が望ましいとされている。
・挿管チューブではなく「気管チューブ」!
・気管チューブの径は「Fr」ではなく「mm」!8Frと8.0mmでは小児と大人の径の大きさなみに違ってくるので注意しましょう。
・急変になる前の患者の言動を記入する