①チューブ型ドレーン
・デュープル型(③で説明するデュープルドレーンもチューブ型)やプリーツ型、単孔型(ネラトンカテーテル)、平型タイプのドレーンがある。
・陰圧により強制的に排液を図るか、腔内の圧力や重力による自然な排液を行う。特徴としては、筒型で内腔が閉塞しにくく、粘稠度の高い排液やコアグラなどを含む排液も排出させることができます。
②ペンローズドレーン
・フィルム型ドレーンと言われる
・ドレーンの内腔と周囲に多数の孔(多孔管構造)または溝を持ち、毛細管現象により効率良くドレナージ(排液)を行う。
・サラサラした粘稠度の低い液体に適応されます。
・素材が柔らかく、侵襲が少ない(組織に対する刺激が少ない)
・しかし、圧迫により、内腔が潰れたり、粘稠な体液や凝血塊により内腔が閉塞
してドレナージできなくなる可能性がある。
・通常、解放式ドレーンとして用いる。そのため、感染に注意である。
③デュープルドレーン
・チューブ型ドレーンに属する
・ペンローズドレーン多孔管構造により、効率よい排液が行う機能と管腔ドレーンの機能を両立しており、粘稠度の高いものからサラサラした液まで排液できるため使用頻度は高いです。
ドレーンの内径が大きく、粘度が高い場合にも有効。
適度な硬さがあり、ルートの確保が容易に行える。
X線不透過ラインにより、ドレーンの位置が確認できます。
④フィルムドレーン
浅い部位に挿入され表面張力を利用して排液を行う。
開放式ドレーンで使用されることが多く薄くて柔らかくて溝がいくつかある形をしたドレーン。
柔らかくて簡易的に利用でき管理もしやすいが排液がでるとした場合は漿液性の排液だろうという場合に使うことが限定され、傷口が大きかったり、感染の疑いのある場合には適していません。
例:ペンローズドレーン
⑤サンプ型ドレーン
画像:富士システムズ株式会社
・内腔が2つまたは3つに分かれているチューブ型のドレーンで、一方の腔から外気を導入し、他の腔から体液を排出する構造です。
この構造はサンプ効果があると言われていて、そもそもサンプ効果とは、英語でいえば「sump」で排液貯めなどを意味し排液をさせる効果があるという意味である。「セイラムサンプチューブ」などもあるが同じく胃液などを排液させる意味をもちます。
・外気が入るため、逆行性感染に注意が必要です。
・胃管(マーゲンチューブ)、イレウス管などがこの構造をしています。
・内腔を吸引しても、ドレーンの先端が組織に吸着し損傷することはないです。
⑥ブレイク型ドレーン
例:j- vacなど
・チューブ型ドレーンのような内腔をもたず、4本の深い吸引溝で構成されたドレーン。
・内腔を持たないためつまりにくく、吸引先の溝と吸引箇所の接着する面積が大きいため広範囲のドレナージが可能
⑦ガーゼドレーン
ただガーゼで傷口を覆ったりすることもガーゼにはドレーン効果あり排液を吸収する効果があります。
ガーゼは網目構造になっており吸湿性が高いため血を吸収し,多すぎる浸出液を吸収しやすく低価格で簡易で使い捨てしやすい点で傷口にはよく使われます。
毛細管現象とは?
液体が表面張力や何らかの圧に対抗して、管などの細い空間の中に入ることでドレーンでいえば状態にもよるが排液がドレーンのの管の筒の中に入り貯留のための排液バックまで流れることをいいます。
ちなみにはじめて毛細血管現象を研究したのがレオナルドダヴィンチでアインシュタインなども論文を発表している物理的現象です。
例)ストローを液体の中にいれるといくらかストローを吸っていなくても水圧が上がる現象や布が水を吸い込む現象も毛細血管現象です。
この毛細血管現象は主にさらさらとしたものがよく排液も漿液性などのものでないとつまる可能性が大きいです。その場合はミルキングなどを行います。(
ドレーンの種類は?
①開放的ドレナージ
・ドレーンの外口が開放されていて誘導される廃液はドレッシング材に吸収される。このため感染に注意が必要。
・術後、滲出液が少なく、ドレーンを早期に抜去できると予想できる場合に多く用いられる
・パウチ式ドレナージなど
②閉鎖的
最後までご覧いただきありがとうございました。
ご意見ご要望等ありましたらお問い合わせフォームよりお願いします。ドレナージ
・ドレーンを接続チューブを介し、貯留バッグや吸引器外気に触れないように接続し閉鎖回路としたもの。
・近年では閉鎖式ドレーンが主流です。それは、手術部位であれば感染の可能性が大きいことなどがあげられます。
1)受動的ドレナージ
・集尿容器などに接続し自然の圧差やサイホンの原理を利用するもので圧をかけたりしないものが受動的ドレーナージといいます。
・ペンローズドレーンなど
2)能動的ドレナージ
①陰圧をかけて吸引する方法で持続吸引器を用いて、ポンプで圧をかけたりなどをして構造的に圧をかけるようになっています。
ドレーンバッグの種類
ドレーンとドレーンバッグの接続
ドレーンとドレーンバッグで別々な会社や種類を使うこともありますが、その際の接続で必要になってくるのが「コネクト」です。
もちろん、滅菌済みのもので使用の際には、このコネクトを使いドレーンとドレーンバッグを接続してからドレーンを挿入します。手術の際はもしくはドレーンのみを術者に渡して、そのあとにコネクトとバッグを接続したものを術者に渡します。
SBドレーン低圧持続器
SBバックスリム
リリアバック
クリオドレーンバック
J-VACドレナージシステム(ジェーバック)
主に手術後に排液を貯留させ持続的に排液させるための”バッグ”と”ドレーン”がセットになったものをいいます。携帯が可能なためで、患者さんの早期離床を促します。
容量は3種類
150mL、300mL、450mLです。
特徴
・シリコーン製で柔らかく侵襲性が低い
・4つの溝を持ち毛細血管現象が起きやすい構造
・サイズは10Fr.から24Fr.
・4種類のラウンド型と、7mm・10mmの2種類のフラット型があり計6種類のドレーンの構造がある
画像:https://www.ethicon.jp/products/jvac-blake.html
②陰圧なしバッグ
バルーンのバック(ハルンバック、尿バック)を使うことも多く、排液専用のバッグの閉鎖式排液バックなども使われ施設により様々です。
・ニプロ ユローズバッグ 2500ml
これが、ハルンバッグにも使用される排液バッグです。メーカーのホームページ上にも排液バッグにも利用可能となっています。容量も2500mlと多く、これ以上排液となることはほとんどないですが丈夫で使い勝手はよく好まれることが多いです。
・シラスコン®閉鎖式排液バッグ 株式会社カネカメディックス500ml
・シラスコン®排液バッグ 株式会社カネカメディックス600ml
・閉鎖式排液バック 硬膜外ドレナージ、尖頭ドレナージ、脳そうドレナージなどで使用される 株式会社富士システムズ ファイコン製品
・排液バッグ Ⅱ型 脳室ドレナージ 株式会社富士システムズ ファイコン製品
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