感染や炎症の指標になるCRPとは、一体何かについてまとめました。

マスク女性

CRPはたんぱく質

CRPとはC反応性蛋白(C-リアクティブ・プロテイン)といって細胞のなかに普通に含まれるたんぱく質です。

CRPは炎症反応をみるのに最適

ひと昔前までは、炎症反応は赤沈がよく使われていました。しかし、最近では採血検査が早くなったことや赤沈よりも炎症がでたら反応が早いことからCRPを調べるのが基本となっています。
採血22

CRPは炎症や組織細胞の破壊などが起こると肝臓で生産されて血液中に流れ出し、増加します。CRP値は感染症や組織破壊による炎症の度合いを反映しますので高ければ炎症している度合いも高いです。

CRPは生化学スピッツ

CRPは血液検査で炎症反応をみるたんぱく質です。生化学スピッツで採ります。
CRPは生化学スピッツで調べることができます

CRPの基準値

  • 0.30mg/dl以下 基準範囲
  • 0.31~0.99mg/dl 要注意
  • 1.00mg/dl以上 異常

炎症がなければ血中CRPはほぼ0です。

CRPの基準値は0.3mg/dl以下で、一般的に10mg/dlを超えると入院を要する事が多いです。
従って、細菌感染以外でも膠原病などでも何らかの炎症があればあがります。
しかし、自覚的な炎症所見、たとえば発熱などには必ずしも一致しません。
また、癌は、増殖しているだけで壊れないから上がりにくいです。

CRPが上昇する疾患

細菌、ウイルス、リウマチ熱、、皮下出血、関節リウマチ、悪性腫瘍悪性リンパ腫、熱傷、外傷、急性心筋梗塞、外科手術後、抗凝固剤投与時などです。

ウイルス感染はCRPがあまり上がらない

細菌感染は鋭敏に上昇し、ウイルス感染ではあまり上がりません

慢性炎症や老化でもCRPは上がる

慢性炎症による疾患や症状では「ぜんそく」や「アトピー性皮膚炎」などのアレルギー性疾患、「関節リウマチ」などの自己免疫性疾患でも上昇します。
他にも、「糖尿病」「心不全」「動脈硬化」「心筋梗塞」「脳梗塞」などでもCRP値は高くなります。これらも老化でCRPは上がる理由なのですがさらに老化が進むと、老廃物を取り除く機能が衰えていくため炎症しやすいためCRP値は上がりやすいです。

炎症がおきてからCRP反応がまでは時間差がある

炎症などが起きてからCRP値は6時間前後で増え始め、数値の上昇までに12時間程度です。また、一度上昇すると薬が効いたとしても数値が下がるまで24時間程度を要するため、発症すぐの場合や治癒直後には指標にはなりません。

CRP値最高値は炎症刺激発生の2、3日後といわれています。

CRP値が30〜40になることもある

たとえば扁桃腺炎や尿路感染症などはCRPが上がりやすい炎症・感染症ですので平気で30くらいまで上がります。
私が見た事があるのは、肺炎で40くらいです。高熱があって、動けない状態でした。

CRPは抗生剤を服薬すると下がるのか?

抗生物質は細菌感染症には有効ですが、ウイルス感染症には効果はありません。
感染によらない組織破壊が病態である病気の場合も、炎症が起こっていることには違いはないのでCRP値は上がりますが、このような病気に抗生物質を投与しても炎症そのものは良くなりません。当然CRP値も下がりません。
例として、心筋梗塞、肝炎、膵炎、リウマチ性疾患、はては筋肉痛なども炎症には違いないのでCRP値は上がりますが、筋肉痛に抗生物質を投与しても何の効果もないという事です。